タイトル |
飼料イネサイレージと牧乾草の併用給与と肉用繁殖牛の子牛生産性 |
担当機関 |
飼料生産研究室 |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
飼料イネサイレージを肉用繁殖牛の妊娠期に良質な牧乾草と併用給与する場合、飼料イネサイレージを給与飼料中、乾物割合で約50%給与しても胎子発育や血液性状には問題はなく、分娩後の繁殖機能(発情回帰、受胎性等)および子牛発育は良好である。
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キーワード |
飼料イネ、稲発酵粗飼料、WCS、肉用繁殖牛、子牛生産
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背景・ねらい |
飼料イネは飼料自給率の向上とともに、稲の生産調整の強化に円滑に対応できるため、九州地域においてもその栽培面積が増加傾向にあり、特に、九州地域は我が国の主要な肉用子牛生産地帯であるため、飼料イネサイレージを肉用繁殖牛用飼料として利用したいとの要望が強い。よって、飼料イネサイレージの合理的給与法を明らかにするために、肉用繁殖牛の妊娠期における飼料イネサイレージと牧乾草の併用給与が子牛生産性に及ぼす影響について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 肉用種成雌牛8頭(平均体重520kg)を供試し、妊娠期は日本飼養標準(2000年版)のTDN要求量の40%を飼料イネサイレージ(品種スプライス)から、60%をイタリアンライグラス乾草から給与する40%区(4頭)とTDN要求量を飼料イネサイレージとイタリアンライグラス乾草から等量給与する50%区(4頭)を設けた。
- 分娩前16週間の平均TDN摂取量は40%区は日本飼養標準の妊娠期要求量の約95%、50%区は妊娠期要求量の約85%であり、CP(粗蛋白質)摂取量は40%区は妊娠期要求量の約115%、50%区は妊娠期要求量の約95%である(図1)。
- 妊娠期の体重増加量は40%区は51.5kg、50%区は22.0kgであり、子牛生時体重は40%区は33.9kg、50%区は30.5kgと両区とも正常な値である。(図2、表2)。
- 分娩~受胎間隔は両区とも85日以内であり、受胎に要した授精回数も両区とも2回以内と正常で連産が可能である。分娩後の哺乳量も両区とも正常な値であり、子牛の発育は両区とも日増体量0.9kg以上と良好である(表2)。
- 妊娠期の血液性状は両区ともヘマトクリット値は30%以上の、総蛋白量は6g/dl以上の正常な値で推移する(図3)。
- 40%区および50%区の給与飼料中の飼料イネサイレージの乾物割合はそれぞれ約45%および約55%である。
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成果の活用面・留意点 |
- 九州地域における飼料イネサイレージを利用した自給飼料主体の肉用子牛生産に適用できる。
- 飼料イネサイレージと併用給与する牧乾草は良質なもの(CP12%、TDN60%程度)を用いる必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
イタリアンライグラス
くり
繁殖性改善
品種
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