タイトル |
ヤマイモキチナーゼ遺伝子導入によるキクの白さび病抵抗性の増強 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
2000~2004 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
キク「秀芳の力」にヤマイモキチナーゼ遺伝子を導入した形質転換体の中から、ヤマイモキチナーゼの発現量が高く、白さび病に強い抵抗性を示す系統を選抜した。
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キーワード |
キク、ヤマイモキチナーゼ、形質転換、白さび病耐病性
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背景・ねらい |
キク白さび病(puccinia horiana)は空気伝染性病害で、施設栽培キクの重要病害であるため、抵抗性の付与が育種目標の一つである。しかし、交雑育種に利用できる抵抗性品種が少ないため、白さび病耐病性品種育成は進んでいない。そこで、病原糸状菌の細胞壁溶解が期待できるキチナーゼの遺伝子を導入し、白さび病に強い抵抗性を示す形質転換キクを獲得する。
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成果の内容・特徴 |
- ヤマイモキチナーゼ遺伝子が導入された形質転換体中約30%の系統がTEBIA法により、キチナーゼタンパク質の発現が確認された(表1)。
- PCRにより遺伝子導入が確認された形質転換キクのうち、生育良好な220系統の白さび病耐病性を湿室で評価した結果、非形質転換体に比べて白さび病冬胞子堆形成が少ない5系統が得られた(表1、図1、図2)。さらに、冬至芽においても、白さび病冬胞子堆形成(自然発生)が明らかに少ないことが認められた(データ略)。
- ヤマイモキチナーゼの発現量が多いほど、白さび病冬胞子堆形成量は低く、強い抵抗性を示す(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- ヤマイモキチナーゼ遺伝子のキクへの導入は、白さび病抵抗性品種育成に応用できる。
- 得られた抵抗性系統は、特性や環境に対する安全性を閉鎖温室、非閉鎖温室、隔離圃場で確認する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育種
きく
施設栽培
耐病性品種
抵抗性
抵抗性品種
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