タイトル |
ハンダゴテを利用した果梗部熱処理によるマンゴー軸腐病の防除技術 |
担当機関 |
沖縄農試 |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
マンゴー果実の収穫後12時間以内に、先端部を平らに加工したハンダゴテを果梗部に5秒程度押し当て熱処理することで、マンゴー軸腐病の発病を抑制できる。
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キーワード |
マンゴー、マンゴー軸腐病、果実、ハンダゴテ、Lasiodiplodia theobromae
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背景・ねらい |
近年、沖縄県において収穫後のマンゴー果実に、果梗部の周辺から軟化褐変し、急速に腐敗する軸腐病が発生し問題となっている。本病は病原菌Lasiodiplodia theobromaeの感染により主に輸送中に発症するため、沖縄ブランド産品としての評価に大きく影響する。また本病への殺菌剤の登録はなく、生産現場での防除を困難にしていることから、早急な防除対策の確立が求められている。そこでハンダゴテを利用した果梗部熱処理の発病抑制効果について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 市販ハンダゴテの先端部を平らに切断し、マンゴー果実の果梗部に約5秒間押し当て熱処理する(図1)。先端部の直径は8mm、処理時の温度は摂氏300度に達する(図4)。
- 接種12h後、24h後処理ともに果実での発病抑制効果が認められ、特に接種12h後処理で84.3の高い防除価が認められた(表1、図3)。
- 接種24h後処理における防除価の低下は、病原菌接種後24時間経過すると熱の届かない果実内部まで菌が進行するためと考えられる(表1)。
- 現地での自然発生条件でも、無処理と比較して熱処理で高い防除価が得られた(表2)。
- 処理後、果梗部はやや黒色となるが外観的な果実品質の低下はみられない(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 供試果実品種は「アーウィン」を用いた。本品種は沖縄県で最も生産量の多い品種であり、本病による被害も多い。
- ハンダゴテはHAKKO製(JUNIORNo.331・100V-60W・I型銅こて先)を使用した。本機種は先端部が果実果梗部の大きさに適しており処理が容易である。また到達温度が高く、処理中の温度低下が少ないことから果実から果実への速やかな連続熱処理が可能であり、かつ安価である。
- ハンダゴテの先端部は摂氏300度に達するため、手肌の火傷など取り扱いには注意する。
- 収穫後、早期に熱処理することで効果が高くなる。
- なるべくハサミ収穫した果実で使用する。袋内で完熟落下した果実では、落下後の経過時間が把握できないため効果は安定しない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
病害虫
加工
品種
防除
マンゴー
輸送
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