8月中下旬定植の促成栽培トマトにおけるハモグリバエ類に対するバンカープラントを併用した天敵利用法

タイトル 8月中下旬定植の促成栽培トマトにおけるハモグリバエ類に対するバンカープラントを併用した天敵利用法
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 2000~2005
研究担当者
発行年度 2004
要約 8月中下旬定植の促成栽培トマトにおいて、9月上旬に天敵ハモグリミドリヒメコバチ100頭/10aの7日間隔の2回連続放飼と、バンカープラント1個/10aの7日間隔の4回以上の導入を併用することにより、翌年の春先までハモグリバエ類を低密度に抑制できる。
キーワード トマト、ハモグリバエ類、天敵、バンカープラント
背景・ねらい 施設トマト栽培において、ハモグリバエ類に対する生物的防除法として、寄生性天敵の利用があげられる。しかし、対象害虫の密度や生育ステージによっては寄生のタイミングが合わない場合が考えられるため、天敵を7日間隔で3~4回連続放飼する必要がある。このため、放飼した天敵を維持できるバンカープラントと呼ばれる天敵の代替寄主とその餌植物を組み合わせたものを作製し、圃場への導入時期を明らかにした。そこで、圃場においてこのバンカープラントを併用した天敵利用法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 8月中下旬定植の促成栽培トマトにおいて、定植後の9月上旬よりハモグリミドリヒメコバチ10aあたり100頭の7日間隔の2回連続放飼に、バンカープラント10aあたり1個を7日間隔で10回導入することにより、翌年の春先までハモグリバエ類を低密度に抑制する。これは、ハモグリミドリヒメコバチ10aあたり100頭の7日間隔の3回連続放飼のみの場合と比較して、密度抑制効果は同等であり、天敵放飼回数が1回削減できる(図1下2段)。
  2. バンカープラントの導入回数は、2回ではやや効果が不安定になるが、4、8、10回では同様に高い密度抑制効果が見られるため、効果の面から4回以上が適当である(図1上2段、一部データ略)。
  3. 導入したバンカープラント上で再生産されたハモグリミドリヒメコバチは、10aあたりに換算して41~119頭である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本バンカープラントは、代替寄主にムギ類に寄生するハモグリバエの1種Pseudonapomyza spicataを、その餌植物にオオムギを使用する。作成方法は、直径10cm高さ20cmの円筒形のポットの底から5cm程度ピートモスを詰め、オオムギを約150粒播種し、播種7日後に数百頭の代替寄主P.spicataに産卵させる。圃場へは、天敵の寄生率が最大となる産卵6日後に導入する。
  2. ハモグリミドリヒメコバチは、平成16年11月現在、農薬取締法に基づく登録がなされていないので、試験研究目的以外には使用できない。
  3. ハモグリバエ類の寄生蜂は寄主探索を行う範囲が広いため、天敵放飼およびバンカープラント設置場所は、40a程度であれば、ハウス中央部1カ所で十分である。
図表1 222849-1.jpg
図表2 222849-2.jpg
カテゴリ 病害虫 大麦 害虫 栽培技術 生物的防除 天敵利用 トマト 農薬 播種

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