タイトル |
緑肥作物(クロタラリアおよびヒマワリ)による硝酸態窒素溶脱の低減 |
担当機関 |
沖縄農試 |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2004 |
要約 |
宮古地域の島尻マージでは、サトウキビ収穫後夏植までの期間、クロタラリア・ジュンシアやヒマワリを栽培すると裸地よりも硝酸態窒素の溶脱が約40%以下に低減できる。
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キーワード |
緑肥作物、クロタラリア、ヒマワリ、サトウキビ、硝酸態窒素
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背景・ねらい |
地下水を飲料水に用いている宮古島では硝酸態窒素による汚染が問題になっており、その原因の一つとして化学肥料由来(約40%)による影響が大きいと指摘されている(宮古島地下水水質保全対策協議会10周年記念誌)。宮古地域の主要作物であるサトウキビの作型は、ほとんどが夏植栽培(8月~10月植付)であるため、サトウキビ収穫後夏植までの期間に緑肥作物を栽培することにより、硝酸態窒素の溶脱量の低減が可能であるか、ライシメーターを用いて検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 地下への溶出水量は、6月中旬頃までは処理区間差が小さい傾向である。しかし、それ以降クロタラリア区の地上部が大きくなったため、溶出水量はかなり減少し、7月からは全く溶出を認めない。溶出総量も裸地の533L/m2に比べ344L/m2と約65%に減少する(図2、表1)。
- 溶出水の硝酸態窒素濃度は、緑肥播種前では処理区間差を認めず、その後6月の上旬頃まで大きな差がみられない。しかし、気温の上昇と比例して裸地区の硝酸態窒素濃度が増加傾向を示す(図1、図3)。
- クロタラリアの窒素含有量は、約15g/m2を吸収しヒマワリの約10倍になる。また、溶出水量と硝酸態窒素濃度から計算した窒素溶脱総量はクロタラリアが0.33g/m2と最も低く、裸地の1.05g/m2に比べて約7割減少する(表1、表3)。
- ヒマワリは干ばつ傾向と無施肥の影響で草丈も76cmと低く、全乾物重が0.16Kg/m2と少なく、クロタラリアに比べ約18%しかなかったが、窒素溶脱総量は裸地に比べ約6割減少する(表1、表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 宮古支場内露地ライシメーター(3m×3m、深さ2m)での結果である。
- 降水量は全体的に少ない年の結果である。
- 他の緑肥作物(ピジョンピーやソルゴー等)でも硝酸態窒素溶脱を低減可能か検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
肥料
さとうきび
施肥
播種
ひまわり
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