株出し栽培で多収、12月収穫が可能なサトウキビ新品種「Ni22」(旧系統名「KY96-189」)

タイトル 株出し栽培で多収、12月収穫が可能なサトウキビ新品種「Ni22」(旧系統名「KY96-189」)
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 1995~2005
研究担当者 伊禮 信
氏原邦博
寺島義文
境垣内岳雄
福原誠司
松岡 誠
前田秀樹
下田 聡
杉本 明
発行年度 2005
要約 サトウキビ「Ni22」は、発芽、萌芽、初期伸長が優れ、糖度が高く、株出し栽培で多収である。早期高糖性で12月収穫でも可製糖量が多く、サトウキビの生産性向上に必要な収穫早期化の促進にも有用である。
キーワード サトウキビ、早期高糖、株出し、熊毛地域、奄美地域
背景・ねらい 鹿児島県熊毛地域では、12月から4月にかけてサトウキビの収穫が行われる。同地域では「NiF8」が収穫面積の98%を占めるが、12月収穫では糖度が低く、収穫後の萌芽が不良で株出し栽培の収量が不安定である。一方、奄美地域では、収穫面積の減少や単収低下により、サトウキビの生産量が減少している。同地域では「NiF8」が収穫面積の61%を占めるが、同品種は株出し栽培における収量が低いことが多いために、「NiF8」と同程度以上の高糖性を示し、株出し栽培でも多収となる品種を求める声が強い。そこで、鹿児島県南西諸島全域のサトウキビ生産性向上を図るため、早期高糖性で12月初旬の収穫が可能な株出し栽培でも多収となる品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「Ni22」は、「KF89-66」の自然受粉により種子を得、1996年に実生選抜を実施して以降、早期収穫適性、萌芽性を重視して選抜した系統である。
  2. 発芽、萌芽、分げつ性に優れ、生育初期から茎伸長が良い(表1)。
  3. 鹿児島県南西諸島地域において、春植え、株出しともに可製糖量は「NiF8」と同程度か多い(表1、図2)。
  4. 熊毛地域および徳之島の新植、および株出し栽培の12月収穫では、甘蔗糖度は「NiF8」と同程度で、原料茎重が重く可製糖量が多い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 鹿児島県が南西諸島全域を対象に奨励品種として採用予定(「NiF8」の代替)。「NiF8」の糖度が低い地域、株 出し栽培での収量が不安定な地域を中心に、熊毛地域600ha(「NiF8」の約24%)、奄美地域2000ha(「NiF8」の約50%)、計 2600haの普及を見込んでいる。12月収穫を推進する地域での活用は特に有効である。
  2. 12月収穫における新植の糖度、収量の確保には、夏から秋の植付けが望ましい。
  3. 12月収穫の効率化(ハーベスタの機動性確保と高稼動効率)のためには、作付けの団地化が必要である。
図表1 222929-1.jpg
図表2 222929-2.jpg
図表3 222929-3.jpg
図表4 222929-4.jpg
カテゴリ さとうきび 受粉 新品種 品種

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