タイトル |
乾物収量が多い飼料用サトウキビ新品種候補系統「KRFo93-1」 |
担当機関 |
環境生理研究室 |
研究期間 |
1993~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2005 |
要約 |
「KRFo93-1」は、日本初の飼料用サトウキビ品種候補系統である。初期生育が旺盛で乾物収量が多い。株の再生が優れ、数年間にわたる多数回の収穫が可能である。
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キーワード |
飼料作物、粗飼料、サトウキビ、乾物収量、多収
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背景・ねらい |
南西諸島農業の持続的発展には、サトウキビ生産と畜産の振興が重要である。大部分の粗飼料を島外から購入している現状下での南西諸島の畜産業の発展には、粗飼料の増産・自給飼料基盤の強化が必要であるが、飼料作物栽培面積の拡大は一方でサトウキビとの圃場競合に繋がり、新たな問題を生んでいる。その解決には、飼料作物の収量向上が必要であるが、台風や干ばつ・低地力等の影響から、既存の飼料作物では大幅な収量向上は難しい。そこで、自然災害に強く、乾物収量が多い飼料用サトウキビを育成し、粗飼料自給率の向上を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 「KRFo93-1」は、製糖用品種「NCo310」を種子親、分げつが旺盛で株の再生力が優れるが、糖分が低く、細茎で低収量のサトウキビ野生種「Glagah Kloet」(Saccharums pontaneum L.)を花粉親にした種間交配により育成した系統である。
- 初期伸長が早く、分げつが旺盛であるため、製糖用品種「NCo310」と比較して生草収量、乾物収量が多い(表1)。
- 株の再生が優れるため、一度の植付けで数年間にわたる多数回の収穫が可能である(表1、図1)。
- 原料草の粗蛋白質はやや少ないが、その他の栄養性は稲わらやローズグラス(1番草、出穂期、生草)と同程度である(表2)。サイレージ調製が可能であり(表3)、生草およびサイレージの嗜好性は良好である(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 鹿児島県熊毛地域にて肉用牛繁殖農家による利用が検討されている。
- 種子島での栽培にあたっては、病害虫の発生に注意し、黒穂病が発生した場合は、抜き取りを行う。
- 糖分が低く、繊維分が高いため、製糖用としては利用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
害虫
さとうきび
収量向上
飼料作物
飼料用作物
新品種
肉牛
繁殖性改善
品種
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