タイトル |
カキ「太秋」の適正着果基準 |
担当機関 |
熊本農研セ |
研究期間 |
2001~2004 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2005 |
要約 |
カキ「太秋」の葉果比は30枚/果程度が適正である。20枚/果未満にすると、収量は増加するが、小玉果となり着色が遅れ、新梢の充実不良により雌花数が年々少なくなる。40枚/果以上にすると、果実は大きくなるが、条紋による汚損が多くなる。
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キーワード |
カキ、「太秋」、適正着果、葉果比、果実品質、樹勢
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背景・ねらい |
「太秋」は、着果過多にすると小玉果となり商品性が落ちる。また、樹勢が低下して弱小枝が多くなり、その結果、雌花数が不足し、毎年安定した収量と品質が得られなくなる。そこで、高品質安定生産のための適正葉果比を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 結果母枝単位では、葉果比が大きいほど平均果重は重くなり、20~39枚/果で400g程度となる(表1)。
- 果皮の着色については20枚/果以上ではほとんど差はないが、10~19枚/果ではやや遅れる(表1)。
- 40~49枚/果では果実が大きくなるため条紋が多く発生し(表1)、この条紋による汚損が多くなる(図1)。また、果肉硬度も早く軟らかくなる(表1)。
- 糖度については葉果比の影響は小さい(表1)。
- 葉果比が小さすぎると結果母枝先端部の新梢伸長が悪くなる(図2)。
- 結果母枝が短いほど雌花の着生数は少ない(図3)。
- 以上のことから、「太秋」では予備枝由来の発育枝や陰芽からの徒長枝なども次年の結果母枝候補として確保する必要があるため、樹全体の適正葉果比は30枚/果程度が適当である。
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成果の活用面・留意点 |
- 充実した新梢が次年の結果母枝となるので、摘蕾(1結果枝1蕾)を必ず実施する。また、収穫時の果実は縦径70mm、横径100mm程度になり(表1)、新梢の間に挟まれ傷果となる場合があるので、このような部分の蕾は残さないようにする。なお、落弁期には灰色かび病防止のため花弁落としを行うが、遅れ花等の摘雷も同時に行っておく。
- 生理落果終了後の仕上げ摘果時(7月中旬頃)に25~30枚/果程度に摘果する。さらに、枝との接触による傷果や病虫害果などを随時摘果していく。なお、樹勢の強い樹では最終葉果比を25枚/果程度とする。
- 過度の摘果は収量を低下させ、条紋からの汚損発生を助長するので慎む。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
かき
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