早生で大果の生食用パインアップル新品種候補「パインアップル沖縄8号」

タイトル 早生で大果の生食用パインアップル新品種候補「パインアップル沖縄8号」
担当機関 沖縄県農業研究センター
研究期間 1989~2005
研究担当者
発行年度 2005
要約 生食用パインアップル新品種候補「パインアップル沖縄8号」は、「クリームパイン」に「マクグレガ-ST-1」を交雑して育成した早生の大果系統で、葉にとげが無い。果皮は黄橙色で果肉が黄色、肉質が軟らかく果汁が多く、高糖低酸で食味がよい。
キーワード パインアップル、早生、大果系統、とげ無し
背景・ねらい パインアップルの主要品種は加工・生食兼用の「N67-10」であるが、生食用品種として「ボゴール」、「ソフトタッチ」、「サマーゴールド」などが増加基調にある。しかし、これらの生食用品種は果実品質が高いものの、果実が小さく、葉縁にとげがあるなどの欠点がある。したがって、とげ無しで高品質、かつ大果でN67-10より早生であるなどを育種目標とした。
成果の内容・特徴
  1. 「パインアップル沖縄8号」は、1989年に「クリームパイン」に「マクグレガーST-1」を交雑して育成した系統である。1991年に一次選抜(個体選抜)した後、二次~四次まで栄養系統選抜を行った。1998年より第2回パインアップル系統適応性検定試験に供試し、2005年(平成17年度)常緑果樹系統適応性・特性検定試験成績検討会においてパインアップル生食用新品種候補として認められた。
  2. 沖縄本島北部と石垣島における夏実の収穫期はそれぞれ7月中旬と6月下旬~7月上旬で、N67-10に比べて1ヶ月程度早い。果実は円筒形で、夏実では1400gと「N67-10」と同程度で、「ボゴール」など生食用品種の2倍近い大きさである。果皮は黄橙色、果肉は黄色で鮮やかである。糖度が高く酸度は低く、肉質は軟らかくて果汁が多く食味が良い(表1、図1)。
  3. 葉縁にとげが無く、栽培管理が容易である。えい芽数は1本以下と少なく、収穫時の吸芽数も0.5本ほどで少ないが、翌年の春には数本発生するので春植の種苗として用いることができる。
成果の活用面・留意点
  1. パインアップル栽培地域の露地、ハウス栽培に適する。
  2. えい芽が少なく、吸芽も少なく発生が遅いため、輪切り増殖など種苗増殖の必要性が高い。
  3. 早生、大果、高品質である反面、種苗増殖にコストがかかるため、差別販売による収益性の向上を目指す必要がある。
  4. 夏実の単冠芽率は7割以上であるが、秋実などでは多冠芽が多くなるので適さない。
図表1 223005-1.jpg
図表2 223005-2.jpg
カテゴリ 育種 加工 くり コスト 栽培技術 新品種 品種 良食味

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