タイトル |
ジャーガル土壌における大玉レタスの栽培法 |
担当機関 |
沖縄県農業試験場 |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2005 |
要約 |
ジャーガル土壌における年3作のレタス栽培では、被覆尿素入り窒素肥料を用いた一括全量基肥施用(40N-22.5P2O5kg/10a)、マルチ内15mm点滴かん水、株間30cm、畦幅45cmの1条植で大玉が得られ、且つ環境負荷が少なく省力的である。
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キーワード |
結球レタス、マルチ内点滴かん水、株間、3作全量基肥
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背景・ねらい |
沖縄県におけるレタス生産は減少傾向にあり、その原因として市況の不安定さが上げられる。そのため経営戦略の1つとしてカット野菜用の肉厚で大玉なレタスを条件に、契約出荷を行う農家が増加している。しかしながら本県における大玉レタス栽培技術は未確立で、生産が安定していない。そこで気象や土壌条件など栽培環境に対応した大玉生産のための栽培マニュアルを作成する。
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成果の内容・特徴 |
- かん水量は5mmでは明らかに少なく、秋・冬・春3作とも15mm/回程度が適当である(表1)。
- 株間が広いほど有意に結球重が重く、株間30cmの粗植は高商品化率および大玉化に有効である(表1、表2、表3)。
- 慣行の株上潅水より、マルチ内点滴潅水の方が商品化・大玉率共に高い(表2)。
- 点滴潅水導入時の資材コスト低減および作業性改善を目指した2条植は、1条植と同じ栽植株数を確保すると変形球が多く商品化率が低くなる(表3)。
- レタスによる窒素吸収量特性および栽培終了跡地土壌の硝酸態窒素濃度(適値:10mg/100g、図1)を考慮した肥料(表4)を用いることで、3作分を全量基肥として施用し現行の25%を減肥する施肥体系が可能である(表1、表3)。
- ジャーガルのカリ供給能(交換性K2O:60mg/100g)と堆肥由来カリ(55kg/10a)およびレタスによるカリ吸収量(24kg/10a/3作)を考慮すると、カリ無施用栽培でも生育・収量に問題はない(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 無カリ栽培を基本とするが、土壌診断を受けて可給態Kの状態を把握し、カリ補充を検討する。
- マルチ内への点滴チューブ設置は、全面マルチャーを利用しマルチ資材の内側に付した同時設置が可能である。
- 収穫時に点滴チューブを傷つけないように気をつける。
- 点滴かん水では生育が早いため、秋作では収穫適期を逸するとチップバーンを生じる場合がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
経営管理
栽培技術
出荷調整
施肥
低コスト
土壌診断
レタス
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