スプリンクラー散水によるクワシロカイガラムシの防除

タイトル スプリンクラー散水によるクワシロカイガラムシの防除
担当機関 宮崎総農試
研究期間 2003~2005
研究担当者
発行年度 2005
要約 クワシロカイガラムシのふ化は、高湿度および湛水条件下で抑制される。ふ化開始以降、日中常に茶樹の枝が濡れるようにスプリンクラーで断続的に散水することで、クワシロカイガラムシのふ化を抑制し、高い防除効果が得られる。
キーワード チャ、クワシロカイガラムシ、スプリンクラー、散水、ふ化期、防除効果
背景・ねらい クワシロカイガラムシは年間3~4世代発生するが、ふ化時期に雨が少ない世代では密度が高く、雨が多い世代では密度が低い傾向が認められるため、湿度条件が本種のふ化に与える影響は大きいと考えられる。そこで、高湿度条件および湛水条件が本種のふ化に与える影響について明らかにし、散水によるクワシロカイガラムシの防除効果について検討する。
成果の内容・特徴
  1. クワシロカイガラムシのふ化率は、高湿度および湛水処理期間が長くなるに従って低下し、7日以上の処理で著しく低下する(図1)。
  2. ふ化開始以降に日中常に枝が濡れるようにスプリンクラーで散水処理すると、その後のふ化が抑制される(図2)。
  3. 散水により、徐々に卵の褐変が始まり(図3)、散水開始15日後では、ほぼ全卵が褐変(死亡)している卵塊の割合が90%を超え、防除効果が高い(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本技術は、畑地かんがいが整備されている等、十分な水量が確保できる茶園で普及可能である。
  2. 本試験は、スプリンクラー(4.4リットル/分)を7m間隔で設置し、2004年8月19日~9月3日の毎日6:00~18:00の間、摘採面上から10分散水、20分無散水を繰り返した結果であり、1日あたりの散水量は約15mmである。
  3. クワシロカイガラムシのふ化は2週間以上続くため、幼虫の初発を確認後は20日間以上続けて散水する。
  4. 直径50mmの給水管(約30a分の散水が可能)に自動散水タイマー(乾電池式)を取り付ける場合の費用は、85,000円程度である。
  5. 炭疽病に対して罹病性の品種で実施する場合には、散水により炭疽病の発生が増加する可能性があるため、必要に応じて散水を一時中断して防除する。
  6. 散水時期が新芽の伸育期と重なる場合、百芽重が若干減少する場合がある。

図表1 223085-1.jpg
図表2 223085-2.jpg
図表3 223085-3.jpg
図表4 223085-4.jpg
カテゴリ 病害虫 炭疽病 品種 防除

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