青果物取引及び活用に関する食品産業の実需者ニーズ

タイトル 青果物取引及び活用に関する食品産業の実需者ニーズ
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2003~2005
研究担当者
発行年度 2005
要約 食品産業の実需者は生産者との交流や直接取引、生産履歴の付帯や減農薬栽培、有機栽培など安全性に配慮した青果物をより強く望んでおり、外食産業の実需者は生産履歴の付帯や、生産者との交流や直接取引による流通の簡素化をより強く望んでいる。
背景・ねらい 消費者に安全で安心な農産物を提供するため、農業と食品産業との情報交換及び連携がますます重要になってきている。食品産業は外食産業、中食産業、食品製造業を含み、農産物の調理や加工を通してその価値を高め消費者に提供する役割を担っており、消費者ニーズに応えた食材をいかに入手するかが重要な課題である。また、農業生産者においても食品産業に属する実需者のニーズ把握が極めて重要である。そこで食品産業の実需者が抱く青果物に対するニーズをアンケート調査により明らかとする。
成果の内容・特徴
  1. 食品産業の実需者に対する因子分析(探索的因子分析)の結果、生産者との交流や直接取引に対するニーズ、有機農産物など安全性に配慮し来歴の明らかな農産物に対するニーズ、市場価格よりも安く仕入れたいとする低価格に対するニーズ、規格や供給期間などを統一してほしいとする規格や供給に対するニーズが顕在化する(図1右)。
  2. 食品産業の実需者全体に対する検証的因子分析(共分散構造分析)の結果、食品産業の実需者は生産者との交流や直接取引、生産履歴の付帯や減農薬栽培、有機栽培など安全性に配慮した青果物をより強く望んでいる(図1左)。
  3. 一方、業種を外食産業の実需者のみに限定した因子分析結果では、農薬の使用状況や誰が作ったものかなどがわかる生産履歴に対するニーズ、生産者からの直接取引や交流、仕入れルートの簡素化等に対するニーズ、規格や供給期間などを統一してほしいとする規格や供給に対するニーズ、話題性や風味などこだわり商品に対するニーズが顕在化する(図2右)。
  4. また、検証的因子分析結果から、外食産業の実需者では生産履歴の付帯がニーズとして強く表れており、次いで生産者との交流や直接取引による流通の簡素化のニーズが現れ、個性化指向がうかがえる(図2左)。
成果の活用面・留意点
  1. 行政機関等において地元企業による地産地消や、食品産業と農業生産者や農業生産法人との連携を推進する際の参考情報となる。
  2. 分析対象企業は、熊本県内の実需者143社(外食55社、中食20社、製造68社)である。
  3. ニーズ調査法は、項目に対する同意度を5段階で評価し、得られた評価得点を用いて探索的因子分析、検証的因子分析(共分散構造分析)を行い、潜在的なニーズの顕在化と総合的な評価を行う。
  4. 調査結果には、業種別に差があることに留意する。
  5. 分析に使用したソフトはSPSSVer14.0(探索的因子分析)及びAmosVer5.0(共分散構造分析)である。

図表1 223143-1.jpg
図表2 223143-2.jpg
カテゴリ 有機栽培 病害虫 有機農産物 加工 ニーズ分析 農薬

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