宮古島地域に適するサトウキビ新品種候補系統「RH86-410」

タイトル 宮古島地域に適するサトウキビ新品種候補系統「RH86-410」
担当機関 沖縄県農業研究センター
研究期間 1986~2006
研究担当者
発行年度 2006
要約 サトウキビ「RH86-410」は、干ばつ条件下において、株出し収量が多い。本系統を夏植えが多い宮古島の干ばつが発生しやすい地域に普及し、春植え株出し体系で活用することにより、同地域のサトウキビ生産の向上が期待できる。
キーワード サトウキビ、春植え株出し、干ばつ、初期伸長、宮古島
背景・ねらい 沖縄県宮古島地域の2005/2006年期のサトウキビ作型は、夏植えが93%、春植えが5%、株出しが2%であり夏植えが多い。夏植えは台風や干ばつの影響が少ない作型であるが、2年1作で土地利用効率が低いことから、栽培コストの低減化、生産性の向上のため、春植え株出し体系への移行が求められている。同地域ではかんがい施設の整備が進み、生産の安定化が図られているが未整備地域では干ばつの影響が大きく、主用品種である「NiF8」(23%)は干ばつ条件下で少収になりやすい。近年普及が拡大しつつある、「Ni15」(28%)や「宮古1号」(21%)も「NiF8」と同様、干ばつ条件下では少収になりやすい。そこで干ばつ条件下でも生産量が安定して多く、春植え株出しに適する品種を育成し、同地域におけるサトウキビ生産量の増加を図る。
成果の内容・特徴
  1. 試験期間中における現地試験地(普及対象地域)の降雨は、少なくて干ばつ条件下であった(図1)。
  2. 「RH86-410」は、茎伸長が優れ、多収の「H73-6110」を種子親に、早期高糖品種「NiF4」を花粉親に用いて交配された種子を得、1986年に実生選抜を実施して以降、初期伸長性、安定多収を重視して選抜した系統である。
  3. 初期伸長が優れ、「NiF8」と比べて茎長が長く、一茎重が重い(表1)。
  4. 宮古島地域の干ばつ条件下において、原料茎重、可製糖量は「NiF8」と比べて春植えでは同程度、株出しでは明らかに多い(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 沖縄県が宮古島地域を対象に奨励品種として採用予定である。宮古島の灌水が困難で干ばつにより収量が不安定な地域において「NiF8」などの代替として普及(600ha)を見込んでいる。
  2. 株出しでは、不萌芽対策のため土壌害虫の防除を行うことが必要である。
  3. 黒穂病に弱いので、黒穂病が多発生する圃場での栽培は控えると同時に、栽培に際しては健全種苗の利用、苗の消毒、発病株の抜き取り等の管理が必要である。
  4. 春植えの茎数確保のため、植え付け時の苗は多めに投入する。
図表1 223184-1.jpg
図表2 223184-2.jpg
図表3 223184-3.jpg
カテゴリ 病害虫 害虫 コスト さとうきび 新品種 品種 防除

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