タイトル |
トラクタでの暗渠施工と心土破砕によるジャーガルほ場の排水性改善 |
担当機関 |
沖縄県農研 |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2006 |
要約 |
ジャーガルほ場の排水性改善対策として、農業用機械で暗渠施工と心土破砕を行うことにより、湿害の軽減が可能になる。
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キーワード |
ジャーガル、湿害、トレンチャ、暗渠、心土破砕、排水性
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背景・ねらい |
沖縄本島中南部に分布するジャーガルほ場は、粘質で緻密なため、排水性が悪く、易耕性も低い。そのため、サトウキビ栽培などでは、発芽不良や収量低下の原因となっている。本県での暗渠施工は、殆どが建設機械を利用した農業土木工事として行われている。本課題では、トレンチャによる暗渠施工、及び心土破砕機による補助暗渠施工を農業用機械で行い、排水性改善技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- トラクタによる暗渠施工(図1左)は、10a当り、浄水ケーキ、有孔管PEパイプ等資材費149千円、トレンチャによる掘削0.6時間、有孔管設置及び浄水ケーキ充填42時間・人で、機械利用及び人件費は93千円となり、合計224千円で、農業土木工事費(546千円/10a)の4割程度で施工できる。(図1右)また、側溝などへ自然流下できない排水不良ほ場では、ポンプで強制排水する必要がある。その際の10a当り経費として、排水枡設置等の施工費100千円、自動排水ポンプ70千円及び電気料金が年間5,000円程度である。(図1右)
- サトウキビほ場における農業用機械での暗渠は、58.5kWのトラクタとトレンチャにより、深さ900mm、幅200mmの溝を掘削し、底部にφ75mmの有孔管を置き(人力)、浄水ケーキで埋め戻して施工する。また、植付け時と株出し管理時に心土破砕機により、畝幅にあわせて幅120~140cm、深さ50cm程度で心土破砕処理し補助暗渠を施工する。(図2)
- ジャーガルほ場では、トラクタ等による作業可能な土壌水分は30%(db)以下である。排水性改善ほ場は降雨後、土壌水分30%以下に達するまでの日数が短縮され、作業可能日数が延長される(図3)。また、1年以上経過しても、暗渠の最大排水量(1系列)は毎分65L程度(時間当り降水量3~10mm)で推移し、本暗渠、補助暗渠とも機能している。
- 排水性改善対策ほ場は改善を行わないほ場より発芽不良による欠株が減少し、10%~20%増収する。(表1)
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成果の活用面・留意点 |
- トラクタによる暗渠施工及び心土破砕作業を組み合わせた排水性改善対策はサトウキビ以外の畑作物や、排水不良の国頭マージほ場でも利用できる。
- 暗渠の間隔は、沖縄県内のほ場整備事業に準じて10mとする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
さとうきび
湿害
排水性
発芽不良
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