極早生ウンシュウの高品質果実生産のための簡易水分ストレス診断指標

タイトル 極早生ウンシュウの高品質果実生産のための簡易水分ストレス診断指標
担当機関 熊本農研セ
研究期間 2005~2006
研究担当者
発行年度 2006
要約 極早生ウンシュウ「豊福早生」の10月上旬における糖度を11以上とするためには、8月10日の糖度で8.5~9.0が必要である。このため、8月上旬までに水分ストレスの簡易診断法である葉の水分吸収率では125~130%、果実横径の日肥大量では0.2mm程度にする必要がある。
背景・ねらい 極早生ウンシュウで糖度が11以上となる樹体の水分ストレスと果実糖度との関係を明らかにするとともに、産地の現場でも判断が可能な水分ストレスの簡易診断法を検討し、適正な樹体管理によって糖度11以上の果実生産ができる水分ストレスの指標を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.生育期の糖度と収穫時の糖度には強い相関がみられ、特に、8月上旬以降は、生育期の糖度が高いほど、収穫期の糖度も高くなる。10月上旬に糖度が11以上になるためには、8月10日頃までに糖度8.5~9.0が必要である(図1)。
2.10月上旬に糖度11以上の果実を生産するには、8月中旬までに葉の水ポテンシャルで-0.8~-1.0MPaの水分ストレスを付与し、その後、かん水等で一時的に水分ストレスを緩和させ、9月以降、再度樹体に-1.0MPa程度の水分ストレスを付与させる必要がある(図2)。
3.葉の水分吸収率と水ポテンシャルの関係は、7月下旬から8月上旬にかけて強い相関がみられ、水分ストレスが付与されるほど葉の水分吸収率は高くなる。葉の水ポテンシャルが-0.8~-1.0MPaのときの葉の水分吸収率は125~130%である(図3)。
4.果実横径の肥大量も、7月中旬から8月上旬にかけて葉の水ポテンシャルと強い相関がみられ、樹体の水分ストレスが付与されるほど日肥大量は小さくなる。葉の水ポテンシャルが-0.8~-1.0MPaのときの横径の日肥大量は0.2mm程度である(図4)。
成果の活用面・留意点 1.10月上中旬に成熟する極早生ウンシュウのシートマルチ栽培園で活用できる。
2.果実肥大は、着果量や樹勢等によっても影響を受けるため、注意が必要である。
3.安定生産を行うためには、収穫後はなるべく早めに、施肥、かん水やチッ素主体の葉面散布を実施して早期に樹勢回復を図る必要がある。

図表1 223234-1.jpg
図表2 223234-2.jpg
図表3 223234-3.jpg
図表4 223234-4.jpg
カテゴリ 簡易診断 樹勢回復 施肥

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