タイトル | イチジク「蓬莱柿」の冬季の切り返しせん定による収穫ピークの分散 |
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担当機関 | 福岡農総試豊前 |
研究期間 | 2005~2005 |
研究担当者 | |
発行年度 | 2006 |
要約 | 冬季にイチジク「蓬莱柿」のすべての結果母枝を2芽で切り返しせん定することにより、慣行の間引きせん定と比較して、発芽が遅れ新梢伸長が旺盛となり収穫開始が遅れるため、収穫ピークが分散され収穫後半の収量が増加する。 |
キーワード | イチジク、切り返しせん定、新梢伸長、収量、収穫ピーク |
背景・ねらい | イチジク「蓬莱柿」では、これまで早期出荷したものほど市場単価が高かったため、冬季に結果母枝を間引きせん定することで発芽および出荷開始を早め、前半の収量を多くする栽培体系を採ってきた。この場合8月下旬~9月上旬にかけて、収穫労力が集中するとともに、出荷集中により市場単価が下落する傾向にある。そこで、冬季の結果母枝の切り返しせん定により、発芽を遅らせ新梢伸長を促進させて収穫ピークの分散を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1.切り返しせん定により、発芽期、展葉期および収穫開始期が7日程度遅れるが、新梢が長く太く展葉枚数が多くなり、新梢当たりの着果数も多くなる(表1、表2)。 2.総収量および果実重は、収穫前半の収量が多い間引きせん定の方が切り返しせん定より多い(表2)。 3.切り返しせん定により、8月下旬の収穫果率が低く、9月中旬以降の収穫果率が高くなり、収穫後半の収量が多くなる(表2、図1)。 4.収穫時期別の果実の着色割合および糖度はせん定法の違いによる差はない(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.樹冠拡大中の若木に適用すると、新梢が徒長し過ぎて収穫時期が極端に遅れるとともに果実品質も不良となるので、樹冠拡大が終了した成木に適用する。 2.樹勢の強弱により切り返しせん定後の新梢伸長が異なるので、7月下旬時点での新梢長が90cm程度になるよう施肥量を加減する。 3.切り返しせん定により新梢伸長が旺盛となるため、7月下旬に15節程度で摘心する。 4.結果母枝の切り返しにより、先端部に着生する夏果が収穫できなくなる。 5.同一園内に、間引きせん定樹と切り返しせん定樹を混在させることによっても、収穫労力の分散が可能である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | いちじく 栽培体系 出荷調整 施肥 |