ハウスミカンにおける収量とプラントキャノピーアナライザーで推定した加温前の葉面積指数との関係

タイトル ハウスミカンにおける収量とプラントキャノピーアナライザーで推定した加温前の葉面積指数との関係
担当機関 大分農林水産研果樹
研究期間 2005~2009
研究担当者
発行年度 2006
要約 ハウスミカンにおける葉面積指数は、プラントキャノピーアナライザーで簡易に推定できる。また、加温前の圃場面積あたり葉面積指数が大きいほど、10aあたり収量が高くなる傾向がある。
キーワード ハウスミカン、プラントキャノピーアナライザー、葉面積指数、収量
背景・ねらい 近年の重油高騰を受け、ハウスミカンでは多収要因の解明と対策の明確化が急務である。そこで、生産力指標である葉面積指数(以下LAI)の算出におけるプラントキャノピーアナライザー(LAI-2000、LI-COR社製、以下PCA)の実用性を検討し、収量と加温前の葉面積指数との関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. PCA測定値と実測によるLAI(摘葉し葉面積計で計測)との間には、ほぼ1:1で対応した、0.1%水準で有意な正の相関が認められる(図1)。
  2. 葉群が密集する樹冠中位と比較して、葉群が近接しない地表面からの測定の方がPCA測定値は誤差が小さい(図2)。
  3. ビューキャップの違いによる測定値の誤差は、開度180度≒270度45度≒90度の順で大きい(図2)。
  4. 開度180、270度ビューキャップ使用による地表面からのPCA測定であれば誤差は小さい(図2)。
  5. 樹冠下4方位測定法によるPCA測定値は、従来法(葉数と個葉の平均葉面積で算出)による圃場面積あたりLAI(以下LAIf)と0.1%水準で、樹冠占有面積あたりLAI(以下LAIc)と1%水準でそれぞれ有意な正の相関を示し、LAIcとの関係が1:1に近い(図3)。
  6. LAIfのPCA推定値(PCA測定値と樹冠占有面積率との積)と従来法によるLAIfとの間には、0.1%水準で有意な正の相関が認められる(図4)。
  7. PCA測定値からLAIcやLAIfを直接推測するよりも、樹冠占有面積率を別途算出し、LAIfを推定した方がより正確である(図3、図4)。
  8. 加温前のLAIfと10aあたり収量との関係を樹齢別にみると、樹齢に関係なく、加温前のLAIfが大きいほど収量が高く、0.1%水準で有意な相関が認められる(図5)。
  9. 樹冠占有面積率と10aあたり収量との関係は、樹冠占有面積率が大きくなるほど10aあたり収量が大きくなり、1%水準で有意な相関が認められる(図6)。
成果の活用面・留意点
  1. PCA測定は、曇天日の日中や晴天日の夕刻など、散乱光条件で実施する必要がある。
  2. 葉群の中にセンサーを挿入し、センサー部の真上に接近した葉が覆い被さると、過大評価され誤差が大きくなる。
  3. 開心自然形を対象とした結果であるため、樹形が異なる場合には注意が必要である。

図表1 223245-1.jpg
図表2 223245-2.jpg
図表3 223245-3.jpg
図表4 223245-4.jpg
図表5 223245-5.jpg
図表6 223245-6.jpg
カテゴリ 光条件

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる