タイトル |
外気導入式強制換気法による昇温抑制及びトマトのリコペン含量増加 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
2005~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2006 |
要約 |
外気導入ファンと換気扇を組み合わせた外気導入式強制換気法により、ハウス内の昇温が抑制され、夏秋どりにおけるトマト赤色系品種、桃色系品種ともにリコペン含量および糖度が増加する。また、トマトの1果重が重くなり、総収量が増加する。
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キーワード |
トマト、外気導入、強制換気、昇温抑制、リコペン、糖度
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背景・ねらい |
本県における施設トマト栽培では、タバココナジラミの侵入を防止するために、微小目合いの防虫ネットの導入が進んでいる。しかし、換気効率が低下し、ハウス内の昇温抑制技術の確立が求められている。一方、トマト赤色系品種は機能性成分であるリコペン含量が高いことから導入が検討されている。しかし、トマトのリコペン生成は高温により抑制されることが報告されている。そこで、外気導入ファンと換気扇(内気排出)を組み合わせ、換気効率を高めた外気導入式強制換気法を開発するとともに、本技術の昇温抑制効果およびトマト桃色系品種、リコペン含量が高い赤色系品種の収量、品質、リコペン含量等に及ぼす影響を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 外気導入ファンと換気扇を組み合わせた強制換気ハウスでは、8月の晴天日における12~14時の平均気温が、対照ハウスに比べて6低くなる(図1-a、図2)。
- 強制換気ハウスでは、側面から1m地点(図1-aの~、~)において、ハウスの外側から内側に向けて常時0.2~0.4m/sの風が発生し、妻面のみならず、側面からも外気が導入される(図1-b)。
- 強制換気ハウスにおけるトマトのリコペン含量は、対照ハウスに比べて赤色系品種「kc02-115」、桃色系品種「ハウス桃太郎」ともに高くなる(図3)。また、トマトの糖度が高く、光合成速度も増加する(表1)。
- 強制換気ハウスにおけるトマトの1果重は、対照ハウスに比べて重くなり、総収量が増加する。しかし、裂果の発生率が高くなることから、上中物率は低くなり、上中物収量は同等となる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 夏季高温期におけるハウス内昇温抑制技術資料として活用できる。
- 高温期におけるトマト育苗時の昇温抑制技術としても活用できる。
- 試験に供試した換気扇(フルタ電機:MGT10406)は約10万円、外気導入ファン(フルタ電機:エアビームAB451)は約4万円である。
- 裂果を軽減するには、梅雨明け後、土壌水分の急変に留意する。
- 「kc02-115」はカゴメ(株)育成の高リコペン品種である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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図表7 |
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図表8 |
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カテゴリ |
育苗
機能性成分
タバココナジラミ
トマト
品種
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