タイトル |
暖地の促成栽培イチゴにおけるカブリダニ類を用いたハダニの防除 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
2004~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2006 |
要約 |
暖地の促成栽培イチゴにおいて、ミヤコカブリダニおよびチリカブリダニのスケジュール放飼と選択的農薬を組み合わせることでハダニ類を効率的に防除できる。
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キーワード |
促成栽培イチゴ、チリカブリダニ、ミヤコカブリダニ、IPM、ナミハダニ
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背景・ねらい |
促成栽培イチゴでは病害虫の発生が多く、化学農薬の使用頻度が高いが、イチゴは生果を直接口にする果菜であるため、安全・安心なイチゴに対する消費者の要望は強い。そのため、化学農薬を大幅に低減可能な病害虫管理システムの開発が求められている。その一環として、暖地イチゴで最も化学農薬の使用回数が多いハダニ類に対して捕食性天敵を利用した防除体系を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- チリカブリダニを11月、12月、1月および2月にスケジュール放飼し、選択的農薬(アカリタッチ乳剤、マイトコーネフロアブル)を適宜組み合わせることにより、栽培期間を通してハダニ類の発生を比較的低く抑制できる(図1の1)。また、ミヤコカブリダニを11月と12月に、チリカブリダニを1月と2月に放飼すると、チリカブリダニだけの放飼に比べて、ハダニ類に対する防除効果が向上する(図1の2)。
- ハダニ類の密度をコロマイト水和剤で抑制した後、カブリダニ類をスケジュール放飼し、ハダニ類が増加した場合に選択的農薬(マイトコーネフロアブル)で補完すると、栽培終了まで防除の必要はない(図1の3)。また、1回目(11月)にミヤコカブリダニを放飼すると栽培終期(4月~5月)の防除効果が高くなる傾向がある(図1の4)。
- 暖地の促成栽培イチゴにおけるカブリダニ類を利用した防除は以下の組み立てで安定した効果が発揮される。
- ビニル被覆後にコロマイト水和剤でハダニ類の密度を下げる。
- 11月上旬にミヤコカブリダニを約5頭/㎡放飼する。
- 年内にマイトコーネフロアブルで補完する。
- 12月に約5頭/㎡、1月と2月に2~3頭/㎡のチリカブリダニを放飼する。
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成果の活用面・留意点 |
- 現場での促成栽培イチゴにおける防除資料として利用できる。
- 化学農薬を使用する場合には、カブリダニ類に影響の小さいものを選択する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
病害虫
いちご
害虫
管理システム
農薬
防除
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