タイトル |
赤土流出防止に有望な緑肥作物の選定 |
担当機関 |
沖縄県農業研究センター |
研究期間 |
2004~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2006 |
要約 |
赤土流出防止に有望な緑肥は、春播き緑肥で富貴豆やピジョンピー及びクロタラリア、秋播き緑肥でヘアリーベッチやエン麦である。
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キーワード |
赤土流出防止、春播き緑肥、秋播き緑肥
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背景・ねらい |
陸地より流出した赤土のうち微細粒子は沿岸海域まで到達し、環境汚染の要因となる。そこで、緑肥栽培が赤土流出の防止に効果があることはよく知られているが、流出土量を測定したデータはほとんどない。農地における微細粒子も含めた赤土等流出防止効果を検討するため、緑肥の春播きと秋播きの主要な品種について栽培期間中の流出土量を測定し、赤土流出防止効果高い緑肥を選定する。
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成果の内容・特徴 |
- 春播き緑肥:
1)緑肥を栽培すると、裸地区に対し、流出土量を41~29%に抑制することができる。流出水量は裸地区で最も多いが、流出土量の最も少ない富貴豆区でも流出水量が同程度の流出量であることから、富貴豆区は土壌を保持する能力が高い(図1)。 2)豪雨時の溜枡内の土量は裸地区で多量の土砂が堆積しているが、各緑肥区とも3%以下である。裸地区では礫や砂等の土砂が多量に流出しているが、各緑肥区はほとんがシルト以下の微細粒子である(図3)。 3)緑肥の収量はクロタラリアやピジョンピー・富貴豆区では良好な生育・収量であるが、ひまわり区では他の処理区よりやや劣る(表1)。
- 秋播き緑肥:
1)緑肥を栽培すると、裸地区に対し流出土量を各緑肥区で46~53%に抑制することができる(図2)。 2)被植率は大麦以外は高い傾向を示し、播種後2~6ヶ月程度は高被植率で推移するため、赤土流出防止効果が高い(図4)。 3)ヘアリーベッチとエン麦は生育や収量が良好だが、イタリアンライグラスと大麦は生育・収量が少ない。(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 富貴豆は30~40日を過ぎた頃から生育が旺盛で、つる性なので放置すると他のほ場へも侵入する恐れがあるため、隣接ほ場が野菜類を栽培している場合は別の緑肥に変える。
- クロタラリアを国頭マージで利用する場合は酸度矯正を行う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
イタリアンライグラス
えん麦
大麦
播種
ひまわり
品種
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