タイトル |
水稲後作における焼酎用大麦「はるしずく」の高品質安定栽培法 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2007 |
要約 |
水稲後作における焼酎用大麦「はるしずく」の収量性、外観品質および精麦特性からみた安定栽培法として、11月下旬播では苗立本数150本/㎡、12月上旬播では150~200本/㎡、施肥窒素量は10a当たり基肥5kg、第1回追肥4kg、第2回追肥2kgとする。
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キーワード |
焼酎用大麦、播種時期、苗立本数、施肥法、はるしずく
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背景・ねらい |
食糧用二条大麦においては、生産性が高く、精麦および醸造適性が優れる品種とその安定生産技術が生産者や実需者から強く求められている。そこで、本県育成の焼酎用大麦「はるしずく」の安定多収と精麦および焼酎醸造適性向上のため、水稲後作における播種時期、播種量および施肥法が生育、収量および品質に及ぼす影響を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 水稲後作における「はるしずく」の播種適期は、収量性が優れ、正常粒率が高い11月下旬~12月上旬である。11月中旬の早播きは、暖冬年(2003年、2004年播)では後期凋落の様相を示し、穂数不足によって減収する(表1、年次別データ略)。
- 11月下旬播では苗立数が150本/㎡、12月上旬播では150~200本/㎡になるように播種量を調整することで、安定した収量が確保される(表1)。
- 水稲後作における最適な施肥法(窒素成分量/10a)は、収量性、外観品質および精麦特性が安定して優れる基肥5kg、第1回追肥4kg(5葉期頃、1月下旬頃)および第2回追肥2kg(2月中下旬頃)である(表2)。
- 精麦時における正常粒率が高いほど、アルコール分が高い。したがって、正常粒率の高い11月下旬~12月上旬播種で焼酎醸造適性が優れる(図1、表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 需要の高い大麦の安定生産と品質向上のための栽培技術として普及を図る。
- 苗立本数150本/㎡及び200本/㎡に相当する播種量は、千粒重45g、種子の発芽率90%、圃場での出芽率90%とした場合、10a当たり各々8kg及び11kgである。
- 穂数が過多になると倒伏し易いので、適正な播種量と施肥量を遵守する。
- 焼酎醸造適性に影響する正常粒率の低下を防ぐため、早播きは避け、播種適期と播種量を守る。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
大麦
栽培技術
水稲
施肥
播種
品種
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