タイトル |
栽培特性の優れる暖地向き香り糯新品種候補系統「南海糯163号」 |
担当機関 |
宮崎県総合農業試験場 |
研究期間 |
1996~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2007 |
要約 |
「南海糯163号」は、香り糯在来種より短稈で耐倒伏性が強く、栽培しやすい糯種の香り米である。玄米の香りは「ちほのかおり」より強く、香りの強い搗き餅ができる。粳米に5~10%程度混米することにより、香り、粘りが増し、食味が向上する。
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キーワード |
イネ、香り米、糯種
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背景・ねらい |
宮崎県の香り米は、県北、県央の中山間地域を中心に約7.9haで栽培されている。そのうち糯種は、在来種が1.0ha程度栽培されており、直売所等での単品販売や、古米や屑米への混米による料理店等への販売事例が見られ一定の需要がある。 しかし、香り糯在来種は長稈で倒伏しやすく、耐病性に難点があるなど、栽培特性に問題がある。また、受託面積の拡大や新たな付加価値のある加工品開発への対応など地域水田農業の担い手の多角的経営の一端を担うとともに、暖地の米の消費拡大に資するとの期待から香り糯の登録品種育成に対する要望が高まっている。 そこで、暖地向けの栽培特性が優れた香り糯品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 「南海糯163号」は1996年に晩生の多収糯品種「クスタマモチ」を母とし、晩生の香り糯系統「西海糯223号」を父として人工交配を行った組合せから育成された。
- 出穂期は「クスタマモチ」より2日程度早く、成熟期も2日早い。暖地では“晩生の早”に属する(表1)。
- 稈長は「クスタマモチ」より10cm程度長い。穂長、穂数は同程度で、草型は“偏穂数型”である(表1)。
- 耐倒伏性は“やや強”で「クスタマモチ」よりやや弱いが、在来種より明らかに強い。脱粒性は“中”である(表1)。
- 葉いもち圃場抵抗性、穂いもち圃場抵抗性ともに「クスタマモチ」並の“中”である。白葉枯病抵抗性は「クスタマモチ」並の“やや強”である(表1)。
- 収量は「クスタマモチ」よりも少収である(表1)。
- 玄米千粒重は「クスタマモチ」よりやや小粒であるが、玄米の粒形は“中”である。(表1)。
- 一般糯品種とは香りを有する点、粳品種とは褐色のふ先色を有する点で識別性がある。
- 玄米の香りは「ちほのかおり」、「サリークイーン」より強く、「ひえり」に近く、香りの強い搗き餅ができる。(表1、表2)
- 粳米に5~10%程度混米することにより、香り、粘りが増し、食味が向上する。特に、古米に混米すると食味の改善効果が大きい(表3、図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培特性の優れた晩生の香り糯として、暖地の普通期水稲栽培地帯に適する。
- 香りの強い搗き餅及び食味向上のための混米用として利用できる。
- 宮崎県の中山間地において、2ha程度の普及が見込まれる。
- 耐倒伏性はやや強であるが、やや長稈であるので極端な多肥栽培は避ける。
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図表1 |
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カテゴリ |
加工
経営管理
消費拡大
新品種
水田
水稲
中山間地域
抵抗性
品種
良食味
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