タイトル |
12月上旬出荷用のウンシュウミカン新品種「肥のみらい」 |
担当機関 |
熊本農研セ |
研究期間 |
1971~2007 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2007 |
要約 |
「肥のみらい」は、普通ウンシュウ「白川」の変異系統を種子親に「はるみ」を花粉親として育成した珠心胚実生である。「白川」に比べ樹勢がやや弱く、結果性が良いため、収量は多く、果実の中玉果率は高い。また、11月中旬には完全着色し、食味が優れ、栽培しやすい中生の普通ウンシュウとして期待できる。
|
キーワード |
普通ウンシュウ、新品種、肥のみらい、珠心胚実生、12月上旬出荷
|
背景・ねらい |
贈答用や家庭用にウンシュウミカンが最も消費される時期である12月上旬に出荷可能で食味が優れ、栽培しやすい品種を育成する。
|
成果の内容・特徴 |
- 1994年、「白川」変異系統(「白川」より成熟が1ヶ月程度早く、樹勢がやや弱い)を種子親に「はるみ」を交配し、胚分離・培養を行って育成した珠心胚実生である。2007年8月7日に品種登録された。
- 「白川」と比較して、樹勢がやや弱く、「興津早生」より強い。また枝梢は、「白川」に比べ春梢の基部径が細く、長さは短く、徒長枝の発生は少ない(表1)。
- 「白川」と比べ結果性が良好で(図2)、果実は扁平であり、大きさはM・L級の中玉果比率が高い(図3)。
- 果実着色は「興津早生」に比べやや遅いが、「白川」より早く、11月中旬には完全着色し、果皮色は濃い傾向にある。また、この時期より浮皮が発生する(表2)。
- 果汁成分は、「白川」、「興津早生」に比べ糖度がやや高く、クエン酸はやや低い。じょうのうは「白川」に比べ、軟らかいため食べやすく、食味は良好である(表2)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 「肥のみらい」は、県内ウンシュウミカン栽培地域において、温暖で日照条件が良く排水良好な園に適する。
- 結果期に至るまで、葉数を確保し、適正な樹勢を維持することが必要である。また、結果期以降はシートマルチ栽培を行うことにより、さらに高品質果実が生産される。
- 完全着色期より浮皮が発生することから、11月中旬には収穫し、予措貯蔵後12月上旬に出荷する。
- ウイルス・ウイロイド対策として、高接ぎ樹からの穂木採取は行わない。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
図表5 |
|
カテゴリ |
温州みかん
出荷調整
新品種
高接ぎ
品種
良食味
|