ハウスミカンの収量予測と高収量園の樹体構造

タイトル ハウスミカンの収量予測と高収量園の樹体構造
担当機関 大分農林水産研果樹
研究期間 2005~2009
研究担当者
発行年度 2007
要約 ハウスミカンにおいて、高収量園ほど加温前のLAI(葉面積指数)が大きく、収量予測の指標となる。高収量園の特徴として、樹高が高いだけでなく、樹冠下部にも有効な結果層があり、受光態勢に優れることなどが挙げられる。
キーワード ハウスミカン、収量予測、LAI、受光態勢
背景・ねらい 近年の重油高騰を受け、ハウスミカンでは、迅速かつ客観的な加温是非の判断が必要とされている。そこで、加温前のLAI測定による収量予測を検討する。また、極早生ウンシュウ「高林早生」と早生ウンシュウ「宮川早生」について、高収量園と低収量園の樹体構造や受光態勢を比較し、高品質安定多収のための基礎とする。
成果の内容・特徴
  1. 加温前のLAIと収量との間には正の相関が認められ(図1)、同じLAIであれば早生ウンシュウの方が極早生ウンシュウよりも1.3t/10a程度収量が多い(図1)。
  2. 高収量園では、樹高が高くて樹冠上部の葉面積が大きいだけでなく、樹冠下部にも有効な結果層を有する(図2)。
  3. 低収量園では、LAIが小さいことに加え、赤道部よりも上の位置で隣接樹同士の枝葉が重なりがあったりと受光態勢に劣る場合がある(図2)。
  4. 主要な結果層は、相対光量子束密度で約60~20%の部位にあり、20%を下回った部位では葉面積、着花数および着果数が大きく減少する(図2)。
  5. 高収量園は、部位による果実品質の変動が小さい特徴がある(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 夏枝母枝展葉後~加温前の時期に客観的な収量予測をする際や、整枝剪定作業の際に参考となる。
  2. 加温前LAIと収量との関係は、2005~2007年に県内40棟を調査して求めたものである。高収量園と低収量園の比較は、同40棟より抽出した最高・最低収量園のデータである。なお、調査規模は各棟の代表樹4樹である。
  3. LAIの実測値(y)は、プラントキャノピーアナライザ-LAI-2000(LI-COR社製)測定値と樹冠占有面積率との積(x)から、y=0.7029x+0.3674(r=0.8261)で推定できる(本報告の図1、図2はxをそのまま用いた)。
  4. 層別LAIは、高さ50cmおきのLAI-2000測定値より算出している。

図表1 223443-1.jpg
カテゴリ 温州みかん

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