促成トマトにおけるパルプモウルドポット利用による草勢抑制技術

タイトル 促成トマトにおけるパルプモウルドポット利用による草勢抑制技術
担当機関 (大石産業株式会社)
研究期間 2004~2006
研究担当者
発行年度 2007
要約 パルプモウルドポット苗をポットごと定植すると、トマトの草勢は抑えられ、定植後のかん水量が多くなった場合でも、9cmポリポットに比べて空洞果の発生が減少する。また、9cmポリポット苗の標準かん水と同等の生育、上中物収量を得るためには、定植後に標準の1.5倍程度のかん水量とする。
キーワード トマト、パルプモウルドポット、収量、かん水、空洞果
背景・ねらい 本県の促成トマト栽培においては、省力化のために2次育苗された9cmポリポット苗の購入が拡がりつつある。しかし、9cmポリポット苗は若苗であることから、定植後のかん水量を抑えても草勢が旺盛となりやすく、空洞果等の発生が問題となっている。福岡農総試ではポットごと定植することによりポットが土壌中で分解し、廃プラスチックが出ないイチゴ育苗に適したパルプモウルドポットを開発した(平成19年度成果情報)。
そこで、トマト定植作業の省力化および初期草勢のコントロールを目的として、パルプモウルドポットによるポットごと定植および定植後のかん水量がトマトの生育および収量、品質に及ぼす影響について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. パルプモウルドポット苗は、9cmポリポットに比べてトマト定植後の発根量が少なく、地上部重も軽くなることから、活着後の生育にバラツキもなく、初期の草勢を抑えることができる(図1、図2)。
  2. パルプモウルドポット苗では、1~2段果房直下の茎径が9cmポリポットに比べて細く推移する(表1)。
  3. パルプモウルドポット苗を利用する場合、9cmポリポットの標準かん水と同等の生育、上中物収量を得るためには、定植後に標準の1.5倍程度のかん水とする(表2、一部データ略)。
  4. パルプモウルドポット苗は、定植後のかん水量が多くなった場合でも空洞果の発生割合が9cmポリポットに比べて減少し、上中物率が高くなる(表2)。
  5. パルプモウルドポット苗はポットごと定植できるので、9cmポリポットに比べて定植作業時間が約30%短縮できる(データ略)。
成果の活用面・留意点
  1. 促成トマト栽培における高品質、省力技術資料として活用できる。
  2. 育苗容器をポリポットからパルプモウルドポットに変更することで、農業用廃プラスチックの排出量が削減できる。
  3. 試験はイチゴ用パルプモウルドポット(容量330ml、縦9cm×横9cm×深さ7cm)を使用した。育苗培養土は赤玉土主体の「園芸培土(清新産業社製)」を使用した。
  4. 砂壌土での試験で、かん水は定植~定植後30日まではビーカーで株元に手かん水を行った。その後は400ml/株/日を基本とし点滴かん水(Tテープ)を行った。
  5. 開発したパルプモウルドポットは大石産業株式会社から発売予定である。

図表1 223449-1.jpg
カテゴリ 育苗 いちご 栽培技術 省力化 トマト

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