タイトル |
平張施設を利用したキク年3作周年生産モデル |
担当機関 |
沖縄農研 |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2007 |
要約 |
平張施設を利用したキク周年生産モデルを作成した。夏季は夏秋ギクを使用し、頭上散水、遮熱マルチ等の高温対策により8月出荷ができる。また、12月出荷後、伸長性に優れる秋ギク品種を用い、穂冷蔵、無摘心栽培、ジベレリン散布等を行うことにより、3月(彼岸)出荷が可能となる。
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キーワード |
平張施設、キク周年生産、年3作、エセホン、高温対策、頭上散水、無摘心栽培
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背景・ねらい |
沖縄の夏秋期は、台風や高温障害、害虫の発生などにより、キクの切り花生産には極めて厳しい環境である。しかし、近年平張施設が広く普及し、台風や害虫の被害が軽減できるようになった。この平張施設を有効活用するため、夏秋ギク品種の選定、夏季高温対策、秋ギクの無摘心栽培などを検討し、物日出荷を狙った年3作周年生産モデルを作成した。
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成果の内容・特徴 |
- 平張施設を利用した8月出荷と12月(年末)出荷、3月(彼岸)出荷作型の年3作によるキクの周年生産モデルを作成した(図1)。
- 夏秋ギク品種の選定と栽培技術:
8月出荷作型は、夏秋ギク「すいれん」外4品種が適している(図1)。親株における2週間おきの200ppmエセホン茎葉散布による早期発蕾抑制(表1)と、ミニスプリンクラーなどを使用した頭上からの散水(表2)、タイベックマルチによる地温抑制は切り花品質を向上させる。
- 3ヶ月短期栽培に適する品種と作期短縮技術:
12月(年末)出荷後、3月(彼岸)出荷を可能にする品種は、伸長性に優れる秋ギク「沖の乙女」外14品種である(図1)。2週間の穂冷蔵、20日間のセル育苗、無摘心栽培、消灯前の100ppmジベレリン2回散布(表3)により伸長性が向上し、作期が短縮する。
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成果の活用面・留意点 |
- 平張施設の高度利用、キク切り花生産における作期拡大に活用できる。
- 本生産モデルは、3作型とも前作収穫後、植え替えを行う方式である。
- 夏秋ギクは、到花日数、開花揃いが不安定で、立ち枯れ、枯上りも発生し易いので、排水不良圃場には適さない。
- 頭上散水は、日中1時間おき2分間を目安とする。散水で葉表面が白くなる場合は、収穫時に葉の洗滌が必要である。
- 3月(彼岸)出荷作型は、128穴セルトレイを用い、1セル2本挿しで育苗する。栽植様式は、13×13cm6目フラワーネットの場合5条2株植えを基本にする。定植は12月25日以前とする。
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図表1 |
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カテゴリ |
育苗
害虫
きく
高温対策
栽培技術
出荷調整
品種
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