タイトル |
多収で食味の良い焼きいも向き新品種候補系統「沖育01-1-7」 |
担当機関 |
沖縄県農業研究センター |
研究期間 |
2002~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
カンショ新品種候補「沖育01-1-7」は、皮色が赤、肉色が淡黄色で食味の良好な多収系統で、変形が少なく揃いが良いため、焼きいもに適している。
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キーワード |
サツマイモ、焼きいも、沖育01-1-7、多収
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背景・ねらい |
沖縄県におけるカンショは、菓子原料や焼きいもなどの青果の用途が多く、食味が良く外観に優れた多収品種が求められている。特に焼きいもについては、消費者ニーズが年中あり、粘質で甘みが強く火のとおりの良い紡錘形から長紡錘形が求められている。しかし、県の奨励品種の多くは食味がやや粉質で甘味が足りない傾向にあるため、原料のほとんどを他県から移入または国外からの輸入に頼っており、今後のカンショ生産振興の課題となっている。そこで、多収で良食味の外観に優れた焼きいも向きの品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 「沖育01-1-7」は「沖夢紫]の放任受粉種子を採取し育成した系統である。
- いもの特徴は、皮色が赤く肉色が淡黄色で、変形が少なく外観がよい(表1、図1)。
- 春~夏植えの選抜試験では、年次変動はあるものの「備瀬」の1.3倍以上の高い収量性を示し、L~Mの焼きイモサイズの収量が多い傾向にある(表1)。
- 肉質はやや粘質でブリックスが高く食味が良いため、焼きいもに適している(表1)。
- 一般的に秋植えでは、冬場に生育が止まり春先に2次肥大するため変形が多くAB品率が低くなる傾向にあるが、「沖育01-1-7」は比較的安定してAB品収量が多く、200kg/a前後の商品化収量が見込める(図2)。
- 土壌の異なる現地実証試験においてもAB品収量割合が7割前後と多く、立枯病にもやや強く、肉質がやや粘質で甘味があり焼きイモ向きの特性を示している(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- いもの肥大がやや早いため、特に春植では早掘りが可能である。
- 遅掘りになるといもの繊維が多くなる傾向にあるため、特に秋植では早めに植え付け、掘り取りが遅くならないように気をつける必要がある。
- 普及見込み地域は、沖縄本島南部を中心とするカンショ産地である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
かんしょ
受粉
新品種
立枯病
品種
良食味
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