タイトル |
データ蓄積型温度計の体内装着による豚の深部および局所体温の連続測定法 |
担当機関 |
九州バイオマス利用研究チーム |
研究期間 |
2007~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
データ蓄積型の小型温度計を豚の腹腔深部や子宮、精巣に確実に装着する手術法を確立した。これにより、豚の生理状態を正確に反映した深部体温や子宮、精巣温度を、数ヶ月にわたって連続的に測定することができる。
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キーワード |
豚、深部体温、局所体温、日内変動、測定技術
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背景・ねらい |
豚の生理機能を評価する上で体温は非常に重要な要素である。特に、暑熱環境など生産性が大きく低下する条件下で適切な飼養管理技術を構築するためには、体温変動を詳細に把握する必要がある。しかし、体温計を使った現行の直腸温計測では、豚の活動、摂食、安静等の生理状態を正確に反映した連続データの取得が困難であり、また、直腸以外の特定臓器の温度は測定できない。 そこで、市販のデータ蓄積型温度計を手術によって豚の体内に埋め込むという新たな発想により、これまで計測することができなかった豚の生理状態を正確に反映した深部および局所体温を連続測定する手法を開発することをねらいとする。
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成果の内容・特徴 |
- 我々が開発した術式(表1)により、1時間程度の手術で、豚の腹腔深部および子宮、精巣のそれぞれにデータ蓄積型温度計を装着することができる。
- 温度計の固定は、腹膜、子宮広間膜、あるいは陰嚢肉様膜といった膜を1cm程度切開して温度計を挿入し、切開した膜を縫合する方法で行う(図1)。温度計は癒合した膜により確実に固定され、少なくとも2ヶ月間は装着部位に留まる。
- 温度計を装着した後は、実験者が豚に接触することなく体温を自動計測できるため、豚の安静時や活動時の生理状態を正確に反映した体温を連続的に評価することができる(図2)。
- 蓄積された温度データは、再手術あるいは屠畜により温度計を取り出して回収する。
- 温度計の留置による炎症等の異常所見は見られず、手術から2週間以内に食欲は通常レベルに回復して正常な体温データが取得できる。また、子宮あるいは精巣に温度計を装着した場合でも、発情や射精は問題なく行われる。
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成果の活用面・留意点 |
- 肥育豚および繁殖豚において、環境温度や飼料給与法、繁殖管理などの様々な要因が体温に及ぼす影響を精密に評価するためのツールとして、今後の応用が期待される。
- 豚の手術を伴った手法であるため、痛みのコントロールや術後の抗生物質投与による感染予防など、アニマルウェルフェアを十分に考慮して実験を行う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
飼育技術
自動計測
測定技術
繁殖性改善
豚
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