タイトル |
病虫害複合抵抗性品種「みなみさやか」を利用した減化学農薬防除体系 |
担当機関 |
宮崎総農試 |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
病虫害複合抵抗性品種である「みなみさやか」とBT水和剤、チャハマキ顆粒病ウイルス・リンゴコカクモンハマキ顆粒病ウイルスを組み合わせた防除体系では、化学農薬の年間使用回数は6回程度でよく、10aあたりの薬剤費は14%~47%程度削減できる。
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キーワード |
チャ、「みなみさやか」、複合抵抗性、薬剤費削減
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背景・ねらい |
近年、ドリンク原料向け夏茶生産が行われているが中山間地域においては、その地域の最終摘採時期より遅れて三番茶を摘採すると翌一番茶の収量が低下する。そこで三番茶芽を摘採せずに伸育し、来年度の母枝を確保した後に秋摘み茶生産をおこなう技術が開発されている。本研究は、中山間地域における主要品種において秋摘み茶の収量と収益性について明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 「みなみさやか」は、炭疽病、輪斑病および新梢枯死症に対して無防除条件でもこれらの病害の発生は極めて少なく、防除は不要である(図1)。
- 「みなみさやか」は、クワシロカイガラムシに対して無防除条件でも本種の寄生密度は極めて低く、防除は不要である(図2)。
- チャノホソガの葉縁潜行期幼虫に対して、BT水和剤を5日間隔で2回散布すると、化学農薬を散布した場合と同程度の高い防除効果が得られる(図3)。
- 「みなみさやか」とBT水和剤、チャハマキ顆粒病ウイルス・リンゴコカクモンハマキ顆粒病ウイルスを組み込んだ減化学農薬防除体系では、化学農薬の使用回数(成分数)は1年間に6回程度で良く、10aあたりの薬剤費は14%程度削減できる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果は、南九州などの暖地茶園における防除体系の事例であり、薬剤費の算出にあたっては、平成20年度の販売価格を参考にした。
- 減化学農薬防除体系(表1)において、チャノホソガの防除にBT水和剤を使用せず、慣行防除体系で使用する薬剤でチャノミドリヒメヨコバイ、チャノキイロアザミウマと同時防除すると、10aあたりの薬剤費は慣行防除体系よりも47%程度削減できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
炭疽病
茶
中山間地域
抵抗性
抵抗性品種
農薬
品種
防除
薬剤
りんご
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