タイトル |
紫外線除去フィルムを核とした葉ネギ害虫の減農薬防除体系 |
担当機関 |
熊福岡農総試 |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
紫外線除去フィルムと薬剤防除を組み合わせた減農薬防除体系は、葉ネギの主要害虫であるネギハモグリバエ、ネギアザミウマおよびチョウ目害虫に対し高い防除効果があり、薬剤散布も慣行栽培に比べ大幅に削減できる。
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キーワード |
葉ネギ、ネギハモグリバエ、紫外線除去フィルム、減農薬防除体系
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背景・ねらい |
葉ネギの周年栽培では、施設内が高温・乾燥条件となりやすいことからネギハモグリバエやネギアザミウマなどの害虫が多発し、問題となっている。特にネギハモグリバエは薬剤による防除が難しく、葉ネギの安定生産を阻害する大きな原因となっている。そこで、ネギハモグリバエを主対象とし、ネギアザミウマやシロイチモジヨトウなどの重要害虫に対して、紫外線除去フィルムと効果の高い薬剤を組み合わせた減農薬の新しい防除体系を構築する。
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成果の内容・特徴 |
- ネギハモグリバエ多発条件下においても、紫外線除去フィルムに薬剤防除を組み合わせた体系化では、ネギハモグリバエの被害はほとんど発生しない(図1)。
- 本防除体系では、ネギアザミウマやシロイチモジヨトウなどのチョウ目害虫の被害も慣行防除と同等に抑制できる(図1)。
- 本防除体系では6回の薬剤散布で害虫の被害を十分に抑えており、現地慣行と比べて薬剤散布も大幅に削減できる(図1、一部データ略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 2年3作の現地圃場試験によって、本体系の有効性を確認している。
- 本成果は葉ネギの秋冬作のみならず周年栽培で活用できる。
- 紫外線除去フィルムの効果は、害虫の施設内への侵入防止と施設内での分散抑制であるため、既にネギハモグリバエが発生している場合には薬剤防除によって密度を一旦下げてからフイルムを導入する。その後は、害虫の発生に応じて薬剤防除を実施する。
- 紫外線除去フィルムは、ネギハモグリバエやネギアザミウマが行動に利用している360~380nm付近の紫外線領域が除去されるものを使用する。
- 紫外線除去フィルムの利用による草丈や葉色への悪影響はないが、葉身部が軟弱となる傾向があるため、かん水はやや控えめにする。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
乾燥
ねぎ
農薬
防除
薬剤
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