サトウキビ品種Ni17の株出し栽培における追肥窒素量の違いが収量、糖度に及ぼす影響

タイトル サトウキビ品種Ni17の株出し栽培における追肥窒素量の違いが収量、糖度に及ぼす影響
担当機関 鹿児島県農業開発総合センター徳之島支場
研究期間 2003~2007
研究担当者
発行年度 2008
要約 サトウキビ茎重型品種Ni17株出し栽培において、一茎重が軽く、低収となる多分げつ年では、追肥の増施によって、低収が緩和される。一方、一茎重が重い少分げつ年では、追肥の増施は増収につながらず、糖度を低下させる。
背景・ねらい
    鹿児島県のサトウキビ栽培においては、新植栽培と比較して、植え付けが省略されるなど、経営的に優れる株出し栽培を推進している。そのため、株出し特性に優れる品種として、2001年にNi17が奨励品種に採用された。Ni17は萌芽性極良である一方、一茎重で収量を確保する茎重型品種に分類される。すなわち、有効茎歩合を高めるとともに一茎重を確保する必要性がある。このため、分げつや乾物生産が旺盛な時期の前に施用される追肥窒素量の影響は大きいと考えられる。そこで、Ni17株出し栽培において、追肥を最高分げつ期に行い、最高分げつ数と追肥窒素量の違いが収量、糖度に及ぼす影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 栽培管理(株出し管理期)や気象条件(平均気温)の違いによって、最高分げつ数は異なるが、収穫茎数に大差はない。また、最高分げつ期は概ね6月に迎える(図1)。
  2. 最高分げつ数が少ない2005、2006年作(110×103本ha-1程度)のほうが、最高分げつ数が多い2004年作(150×103本ha-1程度)に比べ、有効茎歩合が高く、一茎重が重く、収量も多い(図2、表1)。
  3. 2004年作のような多分げつ年では、追肥窒素の増施は無効分げつを抑制し、収穫茎数を増加させる。一茎重は変わらないため、低収緩和につながる。また、梢頭部の全窒素含有率は上昇せず、糖度は低下しない(図2、表1)。
  4. 2005、2006年作のような少分げつ年においては、追肥窒素を増施しても、有効茎歩合、一茎重は改善されず、増収しない。また,梢頭部中の全窒素含有率が上昇するため、栄養生長が生育後期まで、より盛んに行われ、糖の蓄積が緩慢になり、糖度が低下する(図2、表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 典型普通暗赤色土における試験結果である。
  2. 効率的な施肥技術構築のための参考資料として活用できる。
図表1 223692-1.jpg
図表2 223692-2.jpg
図表3 223692-3.jpg
カテゴリ 経営管理 栽培技術 さとうきび 施肥 品種

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