カンキツ類の苦味成分と加熱による臭いの変化

タイトル カンキツ類の苦味成分と加熱による臭いの変化
担当機関 熊本県産技セ
研究期間 2005~2007
研究担当者
発行年度 2008
要約 カンキツ類の川野夏ダイダイ、大橘、河内晩柑および晩白柚は果汁及び果皮にナリンギン、リモニンを多く含む。また、果汁の加熱処理による苦味成分の変化はないが、加熱臭は温州ミカンで強く、川野夏ダイダイで弱い。
背景・ねらい
    熊本県で栽培されている様々なカンキツ類は、特徴あるカンキツ加工品の原料として有望である。熊本県では、これらのカンキツ類を原料に飲料やゼリー等の特徴ある加工品開発に取組む加工組織等が多くなっているが、搾汁や加熱による苦味や加熱臭の発生などの問題がある。そこで、熊本県の主要なカンキツである温州ミカン、ポンカン、不知火、スイートスプリング、川野夏ダイダイ、大橘、河内晩柑及び晩白柚における苦味成分を解明するとともに、果汁の加熱臭を把握する。
成果の内容・特徴
  1. 熊本県で主に栽培されているカンキツ類の果汁に含まれるフラバノン類は、温州ミカン、ポンカン、不知火及びスイートスプリングでは苦味のないナリルチンとヘスペリジンが含まれ、川野夏ダイダイ、大橘、河内晩柑及び晩白柚では苦味のあるナリンギンが含まれている。また、ポンカン、晩白柚及びスイートスプリングでは、苦味のあるリモニン類が含まれている(表1)。
  2. 各カンキツ類果皮に含有される苦味成分のフラバノンの種類は、果汁と同じ傾向を示すが、果汁より多く含まれている。リモニンは温州ミカンには含まれていないが、他のカンキツ類には含まれている。また、ノミリンについては河内晩柑にのみ含まれている(表2)。カンキツ類の苦味成分は果皮に多く含まれるので、搾汁方法に留意する必要がある。
  3. 加熱処理したカンキツ類果汁のBrix、還元型ビタミンC、フラバノン類は、加熱していない果汁と比べて大きな差はないが、加熱した果汁を飲んだときに感じる加熱臭については、温州ミカンが最も強く、川野夏ダイダイが最も弱い(図1)。温州ミカンは、果汁を加熱したときに感じる加熱臭が最も強いため加工にあたっては、留意する必要がある。
成果の活用面・留意点
  1. 県内の加工組織等に情報提供を行う。
  2. 本成果は、熊本県産カンキツ類を分析して得られたものである。
図表1 223711-1.jpg
図表2 223711-2.jpg
図表3 223711-3.jpg
カテゴリ 温州みかん 加工 ぽんかん その他のかんきつ

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