タイトル |
超多収型日印交雑ハイブリッドライス「THR1」の育成 |
担当機関 |
宮崎県総合農業試験場 |
研究期間 |
1990~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
日本型とインド型の組み合わせのハイブリッドライスは、生育前期は片親のインド型に似た生育を示してシンクサイズは大きくなり、生育後期は片親の日本型に似て葉枯と枝梗枯が遅く登熟良好で、両親よりも明らかな多収を示した。
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キーワード |
日本型、インド型、ハイブリッドライス、多収
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背景・ねらい |
日印交雑ハイブリッドライスは多収能力のあることが報告されているが、雑種不稔や長稈性による倒伏等の問題がある。雑種不稔の問題については稔性緩和遺伝子を持つ「熱研2号」の育成により解決されたが、「熱研2号」由来のハイブリッドには長稈性による倒伏等の問題がある。そこで「熱研2号」の改良を行い、短強稈型の維持系統を育成し、それを母本としたハイブリッドの収量性を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 日本型短強稈系統の「九系890」(水原258号/台農67号)と「熱研2号」の組合せから「TML1」を育成し、ついでTML1/ホウレイの組合せから品質改良型「TML2」を育成し、この2系統を日本型の片親として用いた。「TML1」については「Chinsurah BoroⅡ」由来の細胞質(BT)を用いて雄性不稔系統を育成し、インド型の「ハバタキ」を回復系統に用いてハイブリッドライスの採種を行った。
- 収量性を検討した結果、日印交雑ハイブリッド「THR1」(TML1/ハバタキ)は、冷害年の1993年も多収であり、1993・94の2年間平均で同熟期の「日本晴」よりも33%、多収型の片親の「ハバタキ」よりも17%多収であった。また、この日印交雑ハイブリッドは、不稔は少なく、かつ稈長は片親のインド型より10cm程度高くなるが強稈であり倒伏は見られなかった。出穂期までは片親のインド型に似た生育を示し、シンクサイズは片親のインド型よりも大きくなった。出穂期以後は片親の日本型に似た特徴を示し、葉枯と枝梗枯が遅く登熟が良かった。
- 「THR1」のこの生育特徴は、日印交雑ハイブリッド「THR2」(TML2/西海198号)にも認められた。
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成果の活用面・留意点 |
- 育成した日印交雑ハイブリッドの草姿や穂相については、これからのハイブリッド育成のための1モデルとして利用できる。
- 育成した日印交雑ハイブリッドは、外観品質や食味に欠点があるので、実用化するにはさらに改良が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
凍害
良食味
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