タイトル |
裸麦のアミロース含有率の簡易測定法 |
担当機関 |
四国農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
裸麦のアミロース含有率の簡易測定法として、ヨウ素呈色法として、ヨウ素呈色法とλMax法は電流滴定法の11~13%の測定時間で精度も高い。近赤外分析法は極めて迅速ではあるが精度が劣る。
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背景・ねらい |
裸麦の用途は味噌用、主食用等の粒食利用が中心であるが、近年各種の粉食利用が試みられ、健康食品として需要の拡大が図られている。特にモチ性の品種については、その澱分特性を利用してめん類や和菓子類へ利用されており、在来品種に代わる新品種の育成が求められている。そこで、モチ性裸麦品種の育成を効率的に進めるため、アミロース含有率の簡易測定法について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 電流滴定法は正確ではあるが多大な労力を要するので、多数の試料を迅速に測定するため、原麦の粉で簡易に澱分当たりアミロース含有率を測定できる3種類の方法について精度や測定時間等について比較検討した(表1)。
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ヨウ素呈色法で測定される値は原麦当たりのアミロース含有率であるので、澱分当たり含有率を求めるためには別に澱分含有率を測定する必要があるが、オートアナライザーで自動的に測定でき、手間がかからず測定結果が安定している(図1)。
- λMax法ではアミロースとアミロペクチンの比が測定され、澱分当たりアミロース含有率が求められる。使用した装置では反応から測定までの時間や温度保持に注意が必要であるが、澱分当たりアミロース含有率の測定精度ヨウ素呈色法より高い(図2)。
- 近赤外分析法では検量線の作成に多大な労力を要するが、その後は極めて簡単で迅速に測定できる。しかし、アミロース含有率の測定精度は、モチ性系統(個休)を対象にしても1.、2.よりもかなり劣る(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
3種類のアミロース含有率の簡易測定法は、大・裸麦の新品種育成におけるモチ性系統(個体)の選抜・評価に利用できるが、そのうち近赤外分析法は精度が低いので大まかな分級程度に留める必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
簡易測定
近赤外分析
新品種
新品種育成
品種
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