タイトル |
堆肥堆積運搬車 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1994~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
堆肥散布機の床コンベア速度を通常散布時の約10倍に高速化することにより,短時間に堆肥を定形堆積できる堆肥堆積運搬車を開発した。これにより堆積時の粉砕・切り返しによる腐熟促進効果が期待できるとともに,定形堆積のため,その後の切り返しや運搬作業を効率的に行うことができる。
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背景・ねらい |
家畜糞尿は,かつては貴重な有機質肥料として用いられ,農業は自然と調和しながら発展してきた。しかし,多頭飼養,専業化にともない農耕地との結びつきが薄れ,自然環境との間に矛盾が生じてきている。労働力不足もこれに拍車をかけ,安価で簡便な家畜糞尿の処理が緊急の課題となっている。そこで,堆肥を簡易に堆積し,腐熟を促進する方策を検討し,一連の技術体系を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 一般の堆肥散布に使われている機械を改造し,短時間に堆肥を定形堆積できる堆肥堆積運搬車を開発した。
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堆肥堆積運搬車は,堆肥散布機の荷下ろし速度を10倍程度に高速化し,糞尿の飛散を防ぎ,かつ堆積形状を整えるため排出部上面・側面に取り外し可能なカバーを装備した。また,排出を円滑にするため,マニュアパンを取り外し可能とした。
- 荷下ろし時間は最大積載量1.5m3の機種で20s,最大積載量8m3の機種で52sと短時間に作業を行うことができた。堆積形状も腐熟に必要な高さを確保できた(図1,図2,表1)。一定の高さ,幅で列状に定形堆積するすることは,堆肥の腐熟促進期待できるばかりでなく,その後の切り返し,運搬にも効果的である。
- 荷下ろし時間が短時間なので,堆肥盤や離れた畑の角に堆積する場合,運搬距離に必要な時間だけで済み,面倒に感じずに作業ができる。従来持っている堆肥を散布する機能と兼用できる点も価格的に有利である。
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成果の活用面・留意点 |
- バーンクリーナによる排出糞尿を直接堆肥堆積運搬車に積載し,定形堆積することにより糞尿処理の効率化が図れる(図3)。特に,ローダ等の機動性が制限される堆肥舎や堆肥ハウス内での利用に効果的である。
- トラクタ走行速度と堆肥堆積運搬車の床コンベア速度の組み合わせにより,自由に堆肥堆積高さを選定できる。なお,堆積後流れ出すような水分の高い糞尿については,事前の水分調節が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
くり
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