植物油(ヒマワリ油)のトラクタへの適用技術

タイトル 植物油(ヒマワリ油)のトラクタへの適用技術
担当機関 生物系特定産業技術研究推進機構
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約  既存の機関を改良することなく、植物油(ヒマワリ油)をそのまま、あるいは軽油と混合という簡便な方法でディーゼル燃料として適用し、その際の排気ガス特性や出力を調査した。ヒマワリ油混合割合の増加に伴い、出力は若干減少する傾向にあり、また機関の構造によっては、排気黒煙濃度やHC濃度の低減が図られた。
背景・ねらい  ディーゼル機関から排出されるガスの中には、NOxをはじめとする様々な有害物質が存在しており、近年環境問題を背景にして自動車業界等各分野でこの汚染物質の低減に向けて研究がなされている。さらに、軽油は化石エネルギとして有限なものであり、その使用量の節減については時流を問わず重要な課題である。これらのことを受けて、機関に特別な改造を施すことなく、再生産可能な植物油をそのまま、あるいは軽油との混合という簡便な方法でディーゼル燃料として適用し、排気ガス成分や出力を測定することにより、クリーンな石油代替エネルギとしての適応性を検討することをねらいとする。
成果の内容・特徴
  1. 市販される食用のヒマワリ油、軽油及びそれらの混合油を燃料として、直噴式の燃焼室を有する機関を搭載した3台のトラクタ(A、B、C)及び渦室式のもの3台(D、E、F)に対して排気ガス成分や出力等を測定した。その結果、機関定格回転時における出力は、ヒマワリ油混合割合が増加するにしたがって低下する傾向が認められた(図1)。
  2. その時の吸入した酸素(燃料中の酸素を含む)に対する排出ガス中のO2を除いた酸素量、即ち酸素消費の割合はヒマワリ油混合割合の増加に伴って減少する傾向にあった(図2)。
  3. 機関定格回転時を含む実用域(部分負荷域)における排気黒煙濃度については、多くの型式においてヒマワリ油混合割合が高くなるにつれて低下の傾向を示した。また、HCについても同様に、1型式を除いて低下する傾向にあった(図3)。さらに、COは、全体的に僅かであるが増加し、NOxについては、明確な傾向が認められなかった。
  4. 連続運転の結果、ヒマワリ油100%では、時間の経過とともに出力の低下が著しく、40時間経過後には、約20%の低下が認められた。一方、混合割合50、30及び0%では、初期20時間において若干出力の低下があったが、その後は安定した性能が得られた。排気黒煙濃度は、混合割合30、50%とも試験を通じて軽油100%の時より低かった(図4)。
  5. 試験後に、機関を分解して燃焼室内の不燃焼物の分析を行った結果、C、H、Nの他約30%の酸素が含まれていることがわかり、この物質はヒマワリ油が燃焼しきらず、重合体の形で堆積したものと推定された。
成果の活用面・留意点  植物油(ヒマワリ油)を燃料としてディーゼル機関に適用する際の資料とする。
図表1 223801-1.gif
図表2 223801-2.gif
図表3 223801-3.gif
図表4 223801-4.gif
カテゴリ くり ひまわり

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