タイトル |
樹体被覆型農薬散布装置 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
作業者に対する農薬被曝防止及び農薬の目的外飛散を低減するため、近年研究が進められている低樹高果樹を対象とした樹体被覆型農薬散布装置を開発した。
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背景・ねらい |
農薬被曝回避のためには防除衣及びマスクの着用やキャビンを装着して作業を行うことが推奨されているが、暑い最中の散布作業は苛酷な労働となっている。また、近年、果樹栽培においても労働負担の軽減等を目的に低樹高栽培の研究が進められている。本研究では、低樹高果樹を対象として、散布作業時の作業者への被曝回避や目的外飛散を軽減する技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 樹高3m、樹幅2m程度の樹体を対象とし、散布対象物を被覆して薬剤散布を行う樹体被覆型農薬散布装置を開発した(図1、表1)。
(1)被覆枠の上下方向の伸縮(地上高250~330cm)は、油圧式及び電動式の併用で、拡幅・縮幅(最大枠幅203cm)は電動式にして樹種への汎用性を配慮した。 (2)被覆枠は、電動シリンダにより回動する支持柱に取付け、作業時は機体側方に移動させ、走行時は走行時の安定性を考慮して機体前方に格納することができる。 (3)被覆枠の左右内側には、ノズルをそれぞれ9個取り付け、樹高に応じて使用するノズル個数を変えることができる。 (4)被覆枠に張ったビニールから滴り落ちる噴霧液は、枠下部の回収樋で集液し、回収用ポンプで薬液タンクに戻し、再利用できる。
- カンキツのボックス栽培2列並べの栽培方において、300L/10a程度の散布量で、樹冠への付着状態は、樹体下部がやや劣るが他は概ね良好である(表2)。
- 風速3m/s程度の時、横風又は追風ともに、樹体を被覆しない場合に比べ、被覆した場合の方が、装置外への噴霧液の飛散及び運転者への散布液の被曝が少なく、樹体被覆型農薬散布装置の効果が認められた(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 低樹高果樹栽培技術の実用化・普及を図る場合の基礎資料となる。
- 薬液付着性能の高いノズルの選定と装置の簡略化・軽量化が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
栽培技術
低樹高
農薬
防除
薬剤
その他のかんきつ
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