タイトル |
農産物直売所に参加する農家の行動と意識の把握 |
担当機関 |
中国農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1994 |
要約 |
農産物直売所の運営組織を対象として、参加農家の多様化した行動と意識を把握するため、農家データの定量的分析と定性的分析を組み合わせて行った。
|
背景・ねらい |
農産物直売所の運営組織をはじめ、多数の農家が参加している農業組織では、参加農家の性格の違いに合わせた組織運営を心掛ける必要があり、農家の多様な行動や意識を把握するための視点や手法が求められている。そこで、直売所に参加する農家単位のデータをもとに、定量的手法と定性的手法を組み合わせて行動と意識を把握することを試みた。
|
成果の内容・特徴 |
対象とした直売所は週6日の営業で、約120戸の農家が定期的に出荷している。
- 参加農家の多様な出荷行動を類型化するため、伝票データを基にクラスター分析を行った。さらに質問票データをもとに、各クラスター該当農家の所属性を明らかにした(表1)。
大規模型:多様な品目を高頻度で出荷している。古くから直売に参加する農家に多い。 中量型 :定量的指標ではほぼ中位に位置する。市場出荷もする農家に多い。 野菜型 :出荷規模は小さい。野菜を中心に出荷している。 花き・加工品種:出荷規模は小さい。花きや加工食品を中心に出荷している。 品目限定型:野菜を出荷せず、工芸品など特定の品目のみを継続的に出荷している。
-
大規模型とそれ以外の型との間に出荷規模格差があり、同時に農家属性のうち古くから参加している農家の割合にも大きな差があった。そこで参加年数の長短により直売所への意識にどのような差があるかを項目毎に検定して明らかにした(表2)。 ア)新たに参加した農家は、品目・品種の差別化によって有利な販売を実現しようとしている。 イ)新参加農家は輸送に負担を感じている。追跡調査の結果、これは新農家の多くが直売所から離れた集落に居住しているため生じた不満であることが明らかになった。 ウ)新参加農家は直売所の販売方法に魅力を感じているのに対して、古くから参加している農家は対人・交流面に魅力を感じている。
|
成果の活用面・留意点 |
多数の農家が参加する農業組織の現状診断のための視点・手法として活用できる。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
カテゴリ |
加工
出荷調整
品種
輸送
|