タイトル |
晩生強稈良食味の水稲新品種候補系統「南海127号」 |
担当機関 |
宮崎県総合農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
水稲「南海127号」は、西海186号/南海102号の組合せから育成された粳系統で、晩生、極良食味、強稈、やや大粒、多収の特徴がある。このため晩生「ユメヒカリ」等の品種に替わって、長崎、宮崎、鹿児島で普及が予定される。
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背景・ねらい |
九州地域の晩生品種については、「ユメヒカリ」は食味は良いが粒厚が薄いため収量が低く生産者の評価が低い。一方、「シンレイ」と「ミナミヒカリ」は多収であるが食味が不十分である。このため、それぞれ作付け面積を減らし、替わって流通評価の高い中生の「ヒノヒカリ」の作付けが増加し、1品種集中による問題が発生している。適正な熟期分散のためにこれらの晩生品種に替わる品種が強く要望されている。そこで、この要望に応え、晩生で栽培特性の優れた極良食味品種の育成を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 「南海127号」は、西海186号/南海102号の組合せから育成された水稲の粳系統である。
- 「ユメヒカリ」に比較し、出穂期で2日早く、成熟期は同程度であり、暖地では“晩生の早"の熟期である。
- 「ユメヒカリ」と比較し、稈長、穂長は同程度、穂数はやや少ない。草型は“偏穂重型"で、耐倒伏性は「ユメヒカリ」と同程度に強い。
- いもち耐病性遺伝子は、“Pi-i"を有し、葉いもち圃場抵抗性は“やや弱"、穂いもちは“中"、白葉枯病抵抗性は“中"、縞葉枯病に“罹病性"である。
- 「ユメヒカリ」に比較し、玄米収量は高く、玄米千粒重は重い。玄米の外観は心白が少し認められるが、腹白は少なく、粒厚は厚く、品質は「ユメヒカリ」と同程度である。
- 食味は、「ミナミヒカリ」、「シンレイ」より明らかに優れ、「ユメヒカリ」と同程度の極良食味である。
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成果の活用面・留意点 |
- 「南海127号」は、晩生、極良食味、強稈、多収の特性から、暖地の平坦肥沃地から中山間地に適応し、長崎県では「ユメヒカリ」の全部と「レイホウ」、「シンレイ」の一部、宮崎県では「ミナミヒカリ」の全部と「ユメヒカリ」の一部、鹿児島県では「シンレイ」の全部、「ヒノヒカリ」と「ミナミヒカリ」の一部に替わり、普及が予定される。2.「南海127号」は葉いもちにやや弱いので適期防除に努める。
- 大粒種のため刈遅れると胴割が発生しやすいので、適期収穫を励行する。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
縞葉枯病
新品種
水稲
中山間地域
抵抗性
品種
防除
良食味
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