タイトル |
粒幅の大きい水稲超大粒型系統「SLG80」の育成 |
担当機関 |
宮崎県総合農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
従来の水稲超大粒型系統「SLG12」よりも1粒重が20%大きい超大粒型系統「SLG80」を育成した。この系統は「SLG12」に比較し、粒長は同程度であるが、粒幅は0.5mm厚く、1粒重は73mgであった。
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背景・ねらい |
水稲の玄米粒重が大きくなると多収性になる可能性がある。例えば、「オオ チカラ」は一般品種の約2倍の粒重があり、極多収性である。粒重を大きくす るためには籾サイズを大きくしなければならないが、籾長は遺伝資源からみて 「SLG 12」の13mm程度が最大と思われる。一方、籾幅については「SLG 12」の 4.5mm 程度まで可能であるが、籾幅が大きくなっても玄米幅が肥大するとは限 らず、玄米幅は 3.6mmが上限となっている。したがって、これ以上の大粒を得 るためには、籾の登熟能力を改良し、玄米幅を肥大させることが重要である。 そこで玄米幅の肥大を目標に極大粒型系統の改良を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 水原258号/台農67号、九系753//オオチカラの組み合わせに由来する大粒型のF4系統に「SLG1」を交配し、その後代から極大粒型系統を選抜し、1系統に「SLG80」の系統名を付し、1995年のF5世代に、1本植え36株(3条)養成により粒大および関連形質を調査し、特徴を明らかにした(図2)。
- 「SLG 80」の玄米は、粒長と粒厚は「SLG 12」と同程度であったが、粒幅が 0.5mm広く、1粒重は21%大きく73mgであった(表1)。
- 籾幅と玄米幅の関係をみると、既存の品種の籾幅は 4.4mmまで大きくなるが、玄米幅は 3.2mmまでしか肥大しなかった。一方、「SLG 80」は籾幅が 4.5mmと最大で、かつ玄米幅も 3.7mmと最大であり、既存品種の玄米幅の限界を明らかに越えていた(図1、図2)。
- 「SLG 80」は粒厚も2.7mmと最大であった。
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成果の活用面・留意点 |
- 大粒多収品種育成のための粒幅および粒厚を肥大させる遺伝資源として活用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
遺伝資源
水稲
多収性
品種
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