タイトル |
ほうれんそう収穫機 |
担当機関 |
中国農業試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
露地栽培を対象としたほうれんそう収穫機を試作した。固定式の根切り刃で地中の根を切断し、柔らかいゴムベルトを巻き付けた引き上げ部でほうれんそうを挟み、機上に持ち上げ収穫する機構である。約0.2m/sの走行速度での収穫が可能である。
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背景・ねらい |
近畿・中国地域における葉菜類の生産は、都市近郊においては、農地の減少によりここ数年漸減傾向を示しており、また労働力不足の点から収穫作業の機械化が必要とされている。また、中山間地域においても高齢作業者を対象とした小型軽量で取扱の容易な機械が要望されている。そこで、ほうれんそうに代表される軟弱葉菜類の機械収穫技術の開発を目的とし、ほうれんそう収穫作業の機械化・軽作業化をねらっている。
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成果の内容・特徴 |
- 試作したほうれんそう収穫機(試作1号機:SH-941)は、市販の野菜運搬車(K式H号、畝をまたぐ形式の4輪式運搬車、横幅は畝幅にあわせて可変)をベースとし、ほうれんそう掘取り部、引き上げ搬送部を試作し、取り付けている(表1、図)。
- 掘取り部は、固定式の根切り刃と左右一対の掘取りガイドを持ち、収穫機の進行に伴って、ほうれんそうをガイド内に送り込み、地中で根を切断する機構である(表1、図)。
- 引き上げ搬送部は、掘取りとほぼ同時に、掘取られたほうれんそうを左右一対の柔らかいゴムを取り付けた引き上げベルトで挟み、機上に搬送する機構である(表1、図)。なお、引き上げ搬送部の動力は、運搬車の機関から取り出している。
- 露地栽培様式(畝幅1.5m、畝肩幅1.2m、畝高さ15~20cm、2~3条播種)で栽培したほうれんそう(品種:トライ、草丈:20~30cm)を走行速度約0.2m/sで収穫する場合、多くの株で損傷を生じるが、機械収穫は可能である(図、表2)。
- 機械収穫時のほうれんそうの損傷としては、葉茎部の割れ、折れ、千切れなどが発生するが、そのほとんどは、外葉(下葉を除く)茎部の割れであり、折れ、千切れなど草姿を大きく乱すものは少ない(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
ほうれんそう等軟弱野菜の収穫機を作製する上での研究資料となる。なお、本機はその構造上、30cm程度の条間と、走行路を必要とするため、雨よけ栽培等の密植栽培様式(条間15~25cm)には、現状では適用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
機械化
収穫機
中山間地域
播種
品種
ほうれんそう
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