タイトル |
重量野菜運搬作業車 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1995 |
要約 |
重量野菜をほ場から搬出し、積載及び積換えが容易な昇降装置を備えたクロー ラ型運搬作業車である。本機の積載能力は500kgで、積載物を2パレットに分割できる特殊なフォークリフト機能を備えており、収穫物の運搬作業の労働負担を軽減できる。
|
背景・ねらい |
重量野菜の収穫物搬出作業は人力に依存することが多く、その労働負担も大きい。ほ場内で収穫した野菜、箱詰めしたダンボール箱、コンテナ等の積み下ろし、ほ場外への搬出等の荷役作業が特に重労働となっている。そのため、高齢化・女性化が進む農家では、作業を楽にできる機械が要望されている。そこで、収穫した野菜を搭載しつつほ場の中を安定的に走行できる機能を備え、トラック等への積み換えを効率的に行なうことのできる運搬作業車を開発した。
|
成果の内容・特徴 |
- 本機は、フォークリフト機能を備えたクローラ型の走行部を持つリーチ型ターンフォーク式クローラ運搬車である(表、図1)。
- フォークリフト部は、フォークを地表面から走行台車上に引きこみ移動できる機能(リーチ型)と、フォークのマストを中心としてフォークを水平面で 180度回転させパレット上の積載物を本機前部から後部の荷台に積み換え積載できる機能(ターンフォーク方式)を備えている。
- 積載物を2パレットに分割することにより、積載時の本体の重量バランスを保つことができ、効率的な運搬作業が行える。また、積載高さを低くできるため収集作業の労働負担が軽減できる。さらに、質量6kgの発泡ポリプロピレン製の軽量パレットも併せて開発し、その運搬作業時の軽労化を図った。
- 収穫ほ場の標準栽培様式に対応するため、走行部の履帯中心間距離を80~130cmに設定することができる。なお、空荷状態の左右静止転倒角は30度以上である。
- 収集作業時に一定微速度で手放し走行ができ、荷台(パレット)高さが自在であることから、楽な姿勢で作業が可能となり、パレット利用によりトラック等への積換え作業の労働負担が各種の慣行法と比較して大幅に軽減できた(図2)。
|
成果の活用面・留意点 |
平成7年度に高性能農業機械実用化促進事業に移行して、平成8年に市販の予定。より高能率に利用するには、パレットの効率的な利用方法を検討しておく必要がある。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
カテゴリ |
軽労化
重量野菜
|