タイトル |
堆肥切り返し機 |
担当機関 |
北海道農業試験場 |
研究期間 |
1993~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
幅1.9m、高さ1.5mのウインドローに対応するトラクタけん引式堆肥切り返し機を開発した。本機は定形堆積されたウインドローを切り返し、作業後も同様の形に整形するため繰り返し切り返し作業が可能である。このため、狭い堆肥舎や堆肥ハウスでも効率的な作業が可能である。
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背景・ねらい |
酪農の飼養規模の拡大や専業化あるいは地域的な偏在化が進み、経営単位当たりのふん尿の処理量は増大している。一方、物質循環の基本となる耕種農家との連携が薄れ、自然環境との間に矛盾が生じ始めている。労働力不足もこれに拍車をかけ、安価で簡便な家畜ふん尿の処理が緊急の課題となっている。そこで、堆肥を簡易に堆積し、切り返しによる腐熟促進方策を検討し、一連の技術体系を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 堆肥堆積運搬車で堆積した幅1.9m、高さ1.5mのウインドローに対応するトラクタけん引式の堆肥切り返し機を開発した(写真)。
- 本機はトラクタ側方に装着する方式で、作業部は前部にマニュアスプレッダと同様の破砕ビータを上下2段に装備し、その後方に搬送コンベアを配置している(図1)。動力はトラクタPTO軸から伝達される。堆肥は、上下2段の破砕ビータにより破砕され空気を混入した状態でコンベアに搬送され、高さ2mコンベア端から落下してウインドローを形成する。機体は、全長3.3m、全幅2.3m、全高2.0m、重量1.5tである。
- 作業速度は0.25~0.30km/hで、所要動力は堆肥の性状によって異なるが、最大30kW程度である。堆積時に堆肥堆積運搬車によって堆肥が粉砕されていることが所要動力の軽減に寄与している。所要けん引出力も路面の状態によって異なるが、土壌固化剤を用いて施工した乾いた路面で0.7kWである。
- 土壌固化剤を施用した堆肥盤で、堆肥堆積運搬車と堆肥切り返し機を利用して堆肥化処理を行うと、約2カ月で堆肥化が完了する(図2、表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- バーンクリーナからの排出ふん尿を直接堆肥堆積運搬車に積載して定形堆積し、これに切り返し機を用いることによりふん尿処理の効率化が図れる。
- ローダー等の機動性が制限される堆肥舎や簡易パイプハウスでの利用にも、効果が期待できる。
- トラクタが走行可能な路面状態であることが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
くり
経営管理
乳牛
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