タイトル |
農業副産物コンポスト化装置 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
野菜くず、野菜残さなど水分が高い農業副産物を、コンポスト化する装置で、都市近郊型の野菜生産農家や青果市場などで利用できる。
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背景・ねらい |
都市近郊の野菜生産農家では、圃場で収穫した野菜を農家に運搬し箱詰め等の調製作業を行うが、そのとき付随的に発生する残さは周囲の圃場に廃棄している例が多い。青果市場やカット野菜工場などでは調製作業後の残さを生ごみとして処理しているが、処理費用が必要になるケースも増えている。そこで野菜残さのような高水分の農業副産物を環境汚染を引き起こさずにコンポスト化する装置を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本装置は、野菜残さ、野菜くずなど放置すると腐敗しやすい高水分の農業副産物を1日50㎏以上処理できる有効内容積 500L以上のコンポスト化装置である。前処理装置、コンポスト化装置、袋詰め装置および脱臭装置から成る(表)。
- 前処理装置は、高水分の野菜残さ(水分約93%)を破砕・乾燥し(水分約87%)、その材料をコンポスト化装置の発酵槽へ自動的に投入することができる。
- コンポスト化装置は、おが屑主体の副資材を使用した強制攪拌・通気による好気性発酵処理方式の発酵槽を有し、バッチ式(図1)と連続式(図2)の2型式がある。バッチ式は2槽の独立した発酵槽を有し、補助熱源としてヒータで発酵槽を、温風で材料を加温する。使用方法は、野菜残さを1槽に5日間投入して発酵させ、その後無投入でさらに5日間発酵させた後、通気性のある袋に詰めて数カ月間後熟させる。連続式は、発酵槽内部を仕切で分割して2槽とし、補助熱源として温風によって材料を加温する。使用方法は、野菜残さを3日間毎交互に発酵槽へ投入して発酵させ、概ね90日後に通気性のある袋に詰めて、その後約1カ月間後熟させる。
- 袋詰め装置は、コンポスト化装置のコンポストを短時間で袋詰めし、脱臭装置は、ロックウールを脱臭材とした生物学的脱臭法で発酵槽の排気を良好に脱臭できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 都市近郊の野菜生産農家や野菜集荷場、加工場などで廃棄される野菜残さ等の農業副産物を環境汚染を引き起こさずに安定的にコンポスト化でき、そのコンポストは有機質資材として活用できる。
- 前処理装置では、材料の水分が高い場合、所定の水分まで乾燥させることが望ましい。
- 平成7年度に高性能農業機械実用化促進事業に移行し、平成8年から市販の予定。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
加工
乾燥
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