タイトル |
傾斜地カンキツ園用搭載型肥料散布装置 |
担当機関 |
四国農業試験場 |
研究期間 |
1995~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
歩行型運搬車に容易に搭載でき、傾斜地カンキツ園に設置した幅1mの園内作業道を走行しながら樹冠下に肥料散布が可能な装置を開発した。本装置は、空気流にのせて肥料を散布するため散布距離が 4.6mと長く、省力的な施肥作業が行える。
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背景・ねらい |
わが国のカンキツ園は、半数が傾斜度15度以上の急傾斜地に立地している。傾斜園地は、高品質果実生産に有利な条件であるが、人力による作業が多く重労働が強いられている。そこで、労働負担の少ない省力的な作業技術を実現するため、幅1mの園内作業道に適合する小型機械化体系を開発する。ここでは、歩行型運搬車に搭載して園内作業道を走行しながら樹冠下に肥料を効率的に散布できる肥料散布装置を開発した。
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成果の内容・特徴 |
- 開発した肥料散布装置は、エンジン、遠心送風機、減速機、スクリュコンベア、容量 100Lの肥料ホッパおよび排出管から構成される搭載型の散布装置である。エンジンで送風機を駆動するとともに、減速機を介して肥料ホッパ内のスクリュコンベアを回す。ホッパに投入した肥料は、スクリュコンベアで排出管に繰り出され、送風機の風によって進行方向の45度前方に散布される。上下の散布角度は調節可能であり、吐出し量は粒状およびペレット状肥料で14~25㎏/minである。最大散布到達距離(落下量割合累積値の95%までの散布距離)は 4.6mである。装置の脱着は、運搬車のリフト装置とあおり止めフックを利用したカセット式であり、容易に運搬車の荷台に搭載できる。運搬車に搭載した場合の静止転倒角は、21度である(図1、表1)。
- 本装置は肥料を送風散布するため散布距離が長く、1回で2樹列分が散布できる。また、搭載型で脱着が容易であるため、歩行型運搬車が汎用利用できる。
- 2樹列ごとに園内作業道が設置されている傾斜園における10a当たりの施肥作業時間は13分と短く、作業の労働負担は中労働の区分であり、手散布に比べて極めて楽に散布できる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 傾斜カンキツ園の施肥作業に活用できるが、幅1mの園内作業道を1樹列または2樹列ごとに確保する必要がある。
- 本装置を搭載する運搬車は、全幅が 675~ 900mm、最大積載量が 500㎏、荷台にリフト装置が装備されている歩行型が適している。
- 本装置は粒状及びペレット状肥料に適応し、谷側への一方向散布に限定される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
機械化体系
傾斜地
施肥
肥料散布
その他のかんきつ
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