タイトル |
早生良食味の水稲新品種候補系統「南海131号」 |
担当機関 |
宮崎県総合農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
水稲「南海131号」は、西海199号/ヒノヒカリの組合せから育成された粳系統で、早生、極良食味、強稈、草姿良の特徴がある。このため早生の「日本晴」、「ミネアサヒ」等の品種に替わって、熊本県の高冷地で普及が予定される。
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背景・ねらい |
九州地域の早生の晩に属する「日本晴」級の品種については、「日本晴」、「黄金晴」、「ヒノクニオトメ」などの品種がある。しかし、これらの品種は食味が十分でないため流通評価は劣り、年々作付け面積を減らし、熊本県の高冷地では替わって早生の早に属する「コシヒカリ」や「ミネアサヒ」が増加し作付け面積の9割を占めるに至っている。このため共同乾燥施設の競合問題が発生し、刈遅れによる品質低下が問題となっている。そこで適正な熟期分散のために、これらの品種より遅い「日本晴」級の良食味品種が強く要望されている。育成地ではこの要望に応えるため、栽培特性の優れた極良食味品種の育成を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 「南海131号」は、九系919(後の西海199号)/ヒノヒカリの組合せから育成された水稲の粳系統である。
- 「日本晴」に比較し、出穂期と成熟期は同程度であり、暖地では“早生の晩"の熟期である。
- 「日本晴」と比較し、稈長は同程度、穂長はやや短く、穂数はやや少ない。草型は“中間型"で、耐倒伏性は強い。
- いもち耐病性遺伝子は、“Pi-a,i"を有し、葉いもちと穂いもちの圃場抵抗性は“やや弱"、白葉枯病抵抗性は“中"、縞葉枯病に“罹病性"である。
- 「日本晴」に比較し、玄米収量は同程度、玄米千粒重はやや重い。玄米の外観は乳白が少し認められるが、腹白は少なく、粒厚は厚く、品質は「日本晴」と同等に良い。
- 食味は、「日本晴」より明らかに優れ、「ヒノヒカリ」と同程度の極良食味である。
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成果の活用面・留意点 |
- 「南海131号」は、早生の晩、極良食味の特性から、「日本晴」の作付け地帯に適応し、熊本県の高冷地で「日本晴」の全部と「ミネアサヒ」の一部等に替わり、普及が予定される。
- 「南海131号」は、いもち病にやや弱いので適期防除に努める。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
乾燥
縞葉枯病
新品種
水稲
抵抗性
品種
防除
良食味
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