「農林PL4号」由来の「南海133号」のトビイロウンカ抵抗性は優性遺伝子支配だ

タイトル 「農林PL4号」由来の「南海133号」のトビイロウンカ抵抗性は優性遺伝子支配だ
担当機関 宮崎県総合農業試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 農林PL4号由来のトビイロウンカ抵抗性水稲系統「南海 133号」は系譜からみて劣性の抵抗性遺伝子 bph-2を有すると推定されたが、遺伝子分析の結果、優性の単遺伝子支配であることが明らかとなった。
背景・ねらい トビイロウンカ(BPH)は水稲を吸汁して加害する害虫であるが、暖地においては被害の大きいことから、抵抗性品種の育成が強く要望されている。すでに抵抗性遺伝子 Bph-1を有する改良型系統が育成されているが、バイオタイプの変化により感受性化し、実用性のないものとなっている。そこで Bph-1と異なる抵抗性遺伝子を持つ農林PL4号を母本に用い、実用形質について一般品種と大差のない「南海 133号」を育成した。この系統は系譜からみて劣性遺伝子のbph2を有すると推定されたが、育成過程で優性遺伝子を有することが示唆されたので遺伝子分析を行った。
成果の内容・特徴
  1. 旧来の九州農試保存のバイオタイプⅠと最近圃場で採収したバイオタイプⅡを用いて検定し、枯死個体を感受性、枯死しない個体を抵抗性と判別した。この結果、バイオタイプⅠに対して Bph-1、bph-2、Bph-3のすべてが抵抗性であったが、バイオタイプⅡに対しては Bph-1とBph-3は感受性であり、bph-2だけが抵抗性であった。
  2. bph-2 をもつ「ASD7」、「IR1154-243」、「農林PL4号」、「南海 133号」を父親、感受性品種を母親として交配し抵抗性を検定した結果、F1はすべて抵抗性を示し、優性遺伝子を有することが推察された。
  3. そこで、かりの舞(感受性)/南海 133号のF2個体を調べたところ、抵抗性個体3:感受性個体1の割合で分離し、さらにF3系統についても調べたところ、抵抗性系統3:感受性系統1の割合で分離したので、「南海 133号」号の抵抗性は1個の優性遺伝子支配であることが確認された。
成果の活用面・留意点
  1. これからのトビイロウンカ抵抗性育種において、「南海 133号」を母本に用いるときは、優性の1個の抵抗性遺伝子を有するものとして扱う。
  2. 以上の結果からみて、劣性の bph-2を有すると言われてきた品種はすべて優性の遺伝子を持っているのでbph-2をBph-2に変更するようRGN等の関係機関に求めていきたい。
図表1 224019-1.gif
図表2 224019-2.gif
図表3 224019-3.gif
図表4 224019-4.gif
カテゴリ 育種 害虫 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 品種

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