タイトル |
高品質のこんにゃく新品種候補系統「群系66号」 |
担当機関 |
群馬県農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
こんにゃく「群系66号」は荒粉、精粉歩留、精粉粘度とも高く、葉枯病、根腐病に“中"程度の耐病性を示す。精粉収量は「はるなくろ」、「支那種」より多く、これらの品種に代替して普及することにより、生産の安定化が図れる。
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背景・ねらい |
群馬県の西部地域で栽培されている「支那種」は多収で増殖性に富むが、荒粉歩留が低く、また、腐敗病に弱い等の短所を有する。また、中部地域の「はるなくろ」は葉枯病、根腐病に対して弱いため、生産が不安定である。このため、両地域に適する優良品種の育成が強く望まれている。
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成果の内容・特徴 |
- 「群系66号」は昭和46年に、群馬県農業試験場において、「群系26号」を母、「支那種」の1系統である「富岡支那」を父として交配し、選抜した系統である。
- 本系統の草型は“立型"で、小葉の大きさは“小"で数が“多"く、葉色は“濃緑"である。葉柄は太く、斑紋の大きさは“中"で、分布は中間タイプである。生子の形は“棒状"が多いが、1年生着生生子では半数程度が“球状"である。
- 萌芽速度が遅く、出芽期、開葉期とも“晩"である。成熟期は10月下旬で「支那種」並の“晩"である。1年生に見られる2次葉の発生は少ない。
- 葉枯病、根腐病に対しては「支那種」並に強い“中"で、腐敗病には「在来種」並に強い“中"で、Fusarium oxysporumによる乾腐病には従来の品種より強い“中"である。
- 球茎収量は「はるなくろ」並で「支那種」より少ないが、精粉収量では「はるなくろ」より2割程度、「支那種」より1割程度多い。生子収量は多く、増殖性に富む。
- 荒粉歩留は「支那種」、「あかぎおおだま」より極めて高く、「在来種」よりやや低い“中"である。荒粉からの精粉歩留は従来の品種より高い“やや高"である。これらの結果、生芋からの精粉歩留は「支那種」、「はるなくろ」、「あかぎおおだま」より極めて高く、「在来種」並である。精粉粘度は「あかぎおおだま」より強い“高"である。
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成果の活用面・留意点 |
- 群馬県の西部地域の「支那種」に替えて、また本系統が“晩生"のため、中部地域の「はるなくろ」は葉枯病、根腐病の発病が多い地区に限定して替えることにより、両地域の生産の安定化が図られる。普及見込み面積は西部地域400ha、中部地域400haである。
- Fusarium solaniによる乾腐病には“弱"いため、種球選別や種球消毒を行う。
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図表1 |
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カテゴリ |
こんにゃく
新品種
根腐病
品種
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