タイトル |
汎用いも類収穫機 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ばれいしょ、 かんしょ、さといも等のいも類及び短根にんじんを掘り取り、土砂等を分離した後、大型のタンクに収納する方式の自走式収穫機である。かんしょは高い精度で藷梗どりが行え、さといもは搬送工程で子いも・孫いもに分解できるため、 手選別作業の負担も軽く、 高い作業能率が得られる。
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背景・ねらい |
いも類の収穫には各種掘取機が利用されているが、選別・調製、搬出作業は主に人力で行われているため、 軽作業化と機械化による能率向上が必要とされている。さらに近年は就業者の高齢化、産地の規模拡大、作業の受委託、低コスト生産等への対応が求められているため、各種の作物に適用できる汎用性と高い能率をもつ収穫機を開発した。
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成果の内容・特徴 |
- 本機はいも類の株を掘り取り、土砂分離、茎葉除去、子いも分離を行った後、 手選別し、タンクに収納する方式の自走式収穫機である。運転者と2~3名の選別者が搭乗して作業し、一工程で収穫を完了することができる(図1、図2)。
- ばれいしょ(生食用、加工用)、かんしょ(原料用、加工用)、さといものほか、短根にんじんに適用でき、掘り取り損失等は1%以下、作物損傷は許容範囲であった。
- かんしょでは、2段階のスナッピングローラにより供給された株の95%以上の藷梗を除去できる。また、さといもの場合、子いも分解コンベヤにより10月下旬の収穫時には`大吉'は95%以上、`石川早生丸'は85%以上の子いも・孫いもを分解できる(表2)。
- ばれいしょはおおむね毎時7a以上、かんしょ10a以上、さといも5a以上、短根にんじん6a以上の能率で収穫できる。
- 軌間調節機構を備え、畝幅 70~120cmで栽培された作物に適用できる。4m程度の枕地で旋回でき、ほ場間移動は自走または中型トラックを利用して容易に行える。
- 0.7m~2.8mの作用高さをもつ底面コンベヤ付きのタンクには約 600kgの収穫物を収納できるため、 大型コンテナやバッグ等に容易かつ能率的に移し替えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本機を利用する前には、地上部の茎葉及びマルチフィルムを除去することが必要である。短根にんじんの場合、畝幅75cmの1条または2条栽培であることが必要である。
- 搭乗する選別者数は、かんしょ収穫時は2名、その他の作物では3名が標準であるが、土塊・茎葉等の混入が多い場合は1名増やす必要がある。
- 大型機械であり、適正な利用規模と周到な計画のもとに利用することが必要である。
- 平成8年度から高性能農業機械実用化促進事業に移行し、8年秋に市販化された。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
かんしょ
機械化
規模拡大
さといも
市販化
収穫機
低コスト
にんじん
ばれいしょ
その他の作物
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