タイトル |
果樹園上空写真の解析による園地概況の把握手法 |
担当機関 |
四国農業試験場 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
傾斜地カンキツ園の園内道や樹体などの園地概況を、写真地図として表示する手法を開発した。本手法は、無人ヘリを用いて園地の上空から撮影した実体視可能な一対ステレオ写真より正射投影の写真地図を作成するもので、この地図上で園内道の長さ・面積、樹冠の面積を簡易に計測することができる。
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背景・ねらい |
傾斜地域のカンキツ園地では軽労省力化のための園地整備が急速に進んでおり、園内道設置に伴う道路の状態、樹冠占有率の変化、地形に応じた園内作業道の配置などを検討するために、園地概況を簡便・的確に把握する手法の開発が求められている。
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成果の内容・特徴 |
- 遠隔操作による無人ヘリコプター(H社飛行委託、撮影当事者)を用いて傾斜園地の上空から一対のステレオ空中写真を撮影し(使用カメラH社:553ELX、 フイルム6×6cm判)、地図・画像処理ソフト(M社TNTmips )による解析から正射投影の写真地図を簡易に作成する。この撮影・写真引き伸ばしから地図作成までの作業は、約7日間程度で比較的簡便である。
- 作成作業の手順(図1)は、まず、 (1)地上での基準点測量(GPS測量、および光波測距儀を用いた測量)を行った範囲を撮影し、 (2)実体視可能な一対の空中写真をスキャナーで読み込み、画像データファイルを作成する。つぎに、 (3)地図・画像処理ソフトで、 (ア)基準点位置の対比・参照、 (イ)対応点の選定、 (ウ)デジタル標高モデル(DEM)の作成を経て、正射投影の写真地図を合成する。さらに、 (4)この写真地図上で、同ソフトの計測ツールを用いて園地の形状を計測する。
- 本手法は、中心投影の写真を正射投影の写真地図の形に変換するもので、園地の実態がゆがみのない平面図として表される(図2)。
- 平面図であるため、写真地図上で、オーバーレイ形式により園内道などの状況の分布図を描き、長さ、面積などの形状の計測ができる(図3、表1)。写真地図上の計測は、現地測量と10%以内の範囲で一致し、簡易計測としては整合性がよい。
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成果の活用面・留意点 |
- 地上の測量地点は、最小で4点、起伏がある場合でも10点ほどあればよい。
- 一対の写真から、一樹ごとの園地概況を計測する場合の撮影範囲は、200m×200m程度の大きさが最大である。
- ステレオ写真は、異なる撮影点から同一の被写体を撮影したものであればよく、カイトプレーンなどによる撮影でも良い。また、DEMより高さの計測も可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
遠隔操作
画像処理
傾斜地
GPS
省力化
その他のかんきつ
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